みんなで遊んだ

バイトが1時ごろまでだったから、そのあと麦やら坂口を誘って河川敷に行った。
小沢も誘いたかったけど、あいつはおデートーでアウト。
ヒノエは家族でどこか出かけてるらしく、斉藤は野球部の遠征。
みーんななんとなく忙しいのね。

暇なの俺ら四人だけだった。

ここんとこ麦が、イマイチ元気なかったんだけど、今日はすっごいテンション高くて
比呂をからかって、ゲラゲラ笑ってた。坂口は秋の鼻炎らしく、鼻ばっかかんで可笑しい。

久々にみんなでサッカーやって、そのあとフリスビーをやって
比呂と麦がプロレスやりだして、天気もいいから気持ちよかった。

最強体力の比呂と麦が、いつまでも走り回ってるから
体力なしおの俺と、体調イマイチな坂口でベンチに座って話をした。

『こんにょ、ちょっと痩せたね。』
『・・うん。』
『一昨日電話もらって事情聞いたよ。色々大変だったんだねー。』
『うん。』

遠くの方まで走っていった比呂たちを見つめて、坂口が言う。

『・・あんたも大変だけど、頑張って比呂ちゃん支えてよ。
もーね、あいつは俺らの前では、弱いとこ見せてくれないから。』
『・・・・・。』
『さもないことは頼ってくれるけど、家庭環境の事が絡むと
ちっとも俺らに相談とかしてくれねえしねー・・・。』
『・・・・・。』
『そういうとこが、あいつのかっこいいとこだけど・・・
痩せてきたの見たらなんか・・・もっと俺らを頼れよって感じちゃうよ。』
『・・・・ありがとう、ごめんね?』

坂口が、俺の顔を見た。そんでふふっと笑う・・。

『お前にお礼とかいわれちゃうんだもんな・・・。しかもすげー普通に。』
『え?』
『ラブラブなんだなー、やっぱお前ら。』
『・・・。』
『強い絆ーみたいなもんを感じるよ。最近、富に。』
『あほー!』

2人でぺちぺち叩き合って、なんか互いに照れ笑いした。
遠くの方で比呂と麦が、大声上げて笑ってる。

『昨夜・・・・。』
『ん?』
『比呂に電話したんだ。お前、とまりにいったっしょ?』
『うん。』
『ユッキーいるの?ってきいたら、寝てるよーって、即答だったの。』
『・・・うん。』
『俺、妙に気恥ずかしくってさ・・・照れるじゃんやっぱ。
比呂もユッキーも、知ってる友達だしさ・・。』
『へへっ。』
『だから・・色々とさ、比呂の事が心配で電話したんだけど
何も話さないうちに、てきとー話題をちょっと喋って、すぐに電話きっちゃったんだ。』
『・・・・・そうなんだ。』
『・・・ま、ユッキーいれば大丈夫かな・・とも思ったし。』
『・・・・。』
『・・・・・・。』
『・・・・うん。』

そこまで話したら、麦と比呂がバタバタとはしってきた。

『なあ、河川敷にピザ屋って配達来ると思う?』とか麦が言う。
『来るんじゃないの?とか比呂が言うんだけど、どー思う?』って笑うから、頼んでみようってことになった。


結局ピザ屋の配達エリアから、大きく外れてるって事で断られちゃったんだけど、
その過程が楽しかったから、ま、いっかーってことになった。

3時のおやつ代わりにスキヤにいって牛丼食った。
それでもなんか足りねえとかいって、サニマに寄ったらおぎやんがバイトしててさ。
サニサニサンデーっていうのがあって、普通のサンデー系アイスみたいなやつなんだけど
それを頼むとき比呂がわざわざ『じゃ、おれ、サニサニチューズデーで御願いします。』
とかいって、おぎやんを困らせていた。

『じゃ、俺マンデー。』『俺イエスタデー。』って、麦と坂口が言うから
俺、最後にどうボケていいのかわからず、パニックになって
『じゃ、俺・・サンサンサン・・・サンサ・・ンデージャパン・・・』
とかほざいてしまった。

ぎゃー!!

みんな一瞬で忘れて!!



でもみんな爆笑してくれて、オギヤンがストロベリーソースを
オマケでつけてくれた。えへ。

食いながら俺、比呂に『またスベっちゃった・・。』って
小声で言ったんだけど、そしたら比呂が笑ってくれて
『俺らが滑ったら、ずっこけて大怪我だけど-、お前がどんだけスベっても、
むしろそこからトリプルアクセルみたいなのりなんだよな。』だって。
なんだそれー!意味わかんね。

ま、そんなかんじで、サンデー食って、比呂がうまい棒とかチロルチョコとか
10円単位の菓子買い捲って、オギヤンにセコイ嫌がらせをしてから
手を振ってサニマを後にした。

オギヤンと比呂って、不思議な関係なんだよね。
あんまり一緒に遊ばないのに、すっごい仲がいいっていうか・・。
俺の知らないとこで、2人で会ってるんじゃねえの?とか
疑いたくなるほどなんだけど、今日はそんな自分の妄想きかっけで
嫉妬したりしないで済んだ。

さっき坂口が色々と、嬉しいこといってくれたからだと思う。

みんなと別れてから、俺は比呂の家に一緒に帰った。
家に着いてすぐにピザとって・・それを食って、
ちょっといちゃいちゃして・・・俺は名残惜しかったけど
8時過ぎに自分の家に戻った。寂しかった。

だから小沢に電話して、あいつのノロケ話を沢山聞いて
冷やかして、電話きって・・風呂に入ったから、比呂に電話しようかな。

2007/10/28(日) 22:49:22
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