2006/8/30 (Wed.) 00:14:33

今日から学校が始まった。やっぱ学校サイコー。

普通に授業があって、普通に昼飯みんなで食って、午後授業終えて部活に行く途中、
幸村が夏休みの課題を先生に出すとか言うから、職員室前の廊下で俺は一人で待っていた。
そしたら突然、空手部の先輩らに囲まれる俺。『顔貸せ』とか言われたから、黙ってついていったんだけど、
そのまま屋上手前の踊り場に連れてかれて、空手部三年に思いっきりボコられた。

最初はやり返してたけど、とにかく相手の人数が多くって、きっと前にやった喧嘩の報復だから
ばかばかしくなって手を出す気力もなくなった。

頭をなんかでぶん殴られて、意識が飛んでぼんやりとして、気がついたら階段を誰かが駆け上がってきて
『比呂っ』って呼ぶ声が聞こえて・・・視界のなかにピンクのふわふわが見えた。


あ。幸村。

口端切れて痛えし、息が上がっちゃって、言葉が出ない。10分くらいあとに来てくれたらよかったのに。
つか、黙って来たのによく見つけたな。

ほらな、幸村、すげえ泣いてる。

『誰にやられたの?』
『・・・・。』
『誰にやられたの?!!』

最初は泣きながら聞いてたのに、そのうちだんだん怒りだして・・その顔がなんか普通じゃない。
空手部のやつにやられたなんていったら、こいつ、そいつら殺しちゃうんじゃないかとおもって
絶対言わないことに決めた。幸村はそんなことしちゃいけないんだ。
幸村が俺の方を睨む。おっかないから、頑張って一言だけ、言葉を出した。

『ちきしょー・・負けた。』
それを言った時。体中に激痛が走って、そのまま俺はブラックアウト。

全身の力がガクリと抜けて、あー・・俺、死んだーって思ったんだけど
なぜだかちゃんと目が覚めた。またも保健室のベッドの上だ。

目を開けたら、幸村がわんわん泣いてる。
俺の左手の親指の関節かみ締めながら、腹減った子供みたいにぎゃんぎゃん泣いてる。

人の手をかみ締めながら泣くな。痛えんだって。あほピンク。
マジで痛いから声をかけようとして、体起こそうとしたんだけど、今度は麦と目が合った。

・・すごい怖い顔で俺を見ていた。

『誰にやられた?』・・・・・こいつも聞くのか。
『比呂、言え。誰にやられた。』
もーやだ、こいつら。殺し屋集団みたいな顔で俺を見るな。

ピンクと麦がいるって事は、メガネとチビもいるってことだ。
俺が視線をちょっとずらすと、今度は浅井がニコリともせずに言う。
『リンチ?なんで?お前がそんな目に合う理由がわからねえ』

・・・浅井に『お前』呼ばわりされている実情。

とりあえずこの部屋の空気をなんとかしねえと・・
そう思って起き上がろうとしたら、右腕がズキっとして、俺はベッドの上でしばらく、動けなかった。
右手にいくつも靴のあとが、青あざになってついてる。
擦り切れて血が出ているとこもあって骨折はしてなかったみたいだけど、どうやら捻挫しているみたいだ。

いてえなー。ちきしょー。あのデブ野郎、今度あったらぶち殺す。
そのうちにバスケ部の先輩が来て、『紺野、お前やったの、空手部のやつだろ。』といった。

・・・・・・なんで知ってるのこの人・・・

『さっき北川が来て、教えてくれたんだ。紺野がボコられるから、早く助けに行けって。でも俺ら間に合わなくてさ。悪かった。』

北川ってのは、空手部の先輩なんだけど、応援団にはいってたひとだ。
俺、その人に、最初はいじめられたけど、野球応援あたりから仲良くなれて・・でもあの人も空手部三年じゃん。
そういやさっき、いなかったな・・。なんで・・・・。

殺気立った麦と幸村が、保健室飛び出そうとしたら、雨宮先生に止められた。
そんで頭をバシッとはたかれる。
『ここからは先生の仕事。お前らは紺野を家まで送っていけ。』
そういうと、雨ちゃん先生は、保健室のドアを勢いよく開け放ち、がしゃんと閉めて走っていった。

この学校の欠点は、こういう時止めてくれる人が一人もいないこと・・・

先生が勢いよくドア閉めていったせいで、そのあとの無言時間が妙につらい。
しまいにゃ部活の先輩までいるしさあ・・。

みんなで睨むな!俺、けが人!!

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