Date 2006 ・ 10 ・ 01
いやもうどうしたら

今日、図書館へ勉強しに行ったんだけど、勉強終えて帰る時、
図書館前のおもちゃ屋から比呂が出てくるのが見えて
俺、すげえ嬉くて、偶然会えちゃった!!!とか思って
ニコニコして手を振ったんだけど、比呂に思い切り無視されて、
俺それが超悲しくて、家に帰って、わんわんと泣いた。

壁に枕とか雑誌投げつけても全然気持ちおさまんなくて
だから、小沢に電話をして、事情話したら小沢がこういった。

『比呂はユッキーがいるって気がついたの?』
『気がついたさ!だってド近眼の俺ですら比呂に気がついたんだもん。』
『ド近眼のお前が、比呂と誰かを見間違えたという説は?』

・・・・・あ。

俺は小沢にそういわれて、なんか・・なんかあれな気がして
『比呂にきいてみる。』と電話をきった。そして比呂にメールをする。

<比呂、おつかれ!お前今日、図書館前のおもちゃ屋に行った?>

すると、比呂から即レスがきた。

<行かないけど。>

・・・まじか。

<だって俺、みたよ?>
<誰を?俺はマジで行ってない。>
<だから会ったじゃん。>
<誰と。>
<だって俺、見たよ?!!>
<何を?!>
<だって・・みたもん・・・・・。>

メールで比呂につながってしまったら、途端に甘えたくなってしまう俺。
比呂も丁度暇なんだろう。メールでの会話に付き合ってくれた。

<・・でも会ったら俺だって声かけるよ。>
<会ったっつーか、見かけただけ。俺、手を振ったんだけど、お前に無視された・・>
<俺が?無視?なんで?!いつもそんなことしないじゃん!! >
<うん・・・。>
<俺がお前を無視なんかするわけないし・・>

・・・どきっとした。やばい・・顔がにやける。

いいや・・メールだし・・誰が見てるわけでもねえし。
俺はベッドにごろんとなって、枕を抱きしめながら、メールを打つ。

<俺・・てっきり嫌われたんだと思ってたんだ>
<なんで?わけもなく嫌わないよ。>
<じゃあ好き?>
<は?>

・・・やべーーー。ちょうヤベー。
恋人気分になってきたーーーー・・・。

<やっぱ嫌いなわけ?>
<嫌いじゃないよ。つか、本当に会ってないし。>
<本当?>
<本当。>
<ほんとに・・・?>
<本当に。>
<・・・・・。>
<本当に!!!>
<・・・だって・・。>

そしたらいきなり着信がはいった。電話だ。

『もしもーし。』
そういうと、電話の相手は比呂だった。

『俺は今日は、朝10時からバイトがあってー!!!』

比呂は、一日の動向について、全部俺に話をしてくれた。

バイトが朝の10時から午後の3時までで、それから麦のバイト先のレコード屋に行って、
浅井の家でゲームやって、家に帰って飯食って風呂に入って、コインランドリーに行って、
最近知り合ったサラリーマンさんと、将棋して時間つぶして、帰りにコンビニに寄って
さっき帰ってきたとこなんだって・・。

そっか・・・。じゃああれは・・俺を無視したのは、比呂じゃあなかったんだな。

『納得して頂けたんですかね。』比呂の声。
『納得しました。』俺は笑った。

『じゃ、そういうことで。』と比呂が電話をきろうとするから
『まってまって!暇ならもっと喋ろうよ!』と俺は慌てていう。

そしたら比呂がいうんだ。
『暇じゃねえっつの。俺、今日店の伝票もって帰ってきてるんだから!!』

・・・比呂は、俺が泣いてるんじゃないかと思って
メールじゃ絶対埒明かないから、直接電話してくれたらしい。

・・・うそみたい。うれしいや。

『じゃあ切るよ。』
『うん・・・。』
『ほんと、俺じゃないからね。それ。』
『うん。』
『とにかく気になることがあるんなら、直接電話して。』
『わかった。』
『じゃあな。おやすみ』
『ありがとう。おやすみ。』

電話をきる。

携帯を閉じたら部屋がなんか静かで
比呂とのつながりが切れちゃった気がして、相当悲しくなってしまった。


無視されたんじゃなかったんだ・・・。そうか・・とりあえずよかった・・・。
携帯を再び開ける。
で、受信トレイを開いて比呂とのメールのやり取りをふりかえる。


わけもなく嫌わないよ・・だって・・。
俺がお前を無視するわけない・・・だって・・。

会ったら俺だって声かけるよ・・・だって・・・。

パタンと携帯を閉じて、そんでベッドの上で海老のように丸くなる。

なんかさー・・苦しいことも多いけど・・人を好きになるって、すげえいいよな・・・。


胸のとこでぎゅっと抱きしめてた携帯が派手に鳴ってびっくりする。
メールだ。比呂からだ。俺はあわててメールを開く。


<もう駄目だ。俺は寝る。おやすみ。

・・あはは・・・。

伝票どーすんだよ。




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