2008/10/5 (Sun.) 22:35:27

比呂と買い物にいった。椿平に新しいショッピングモールができたとかいうから
誘ったんだけど全力で断られて(なんでじゃ!)
で、しょうがないから光が丘のはずれにできたDIY系な大きな店に行くことにした。

ふたりっきりで☆

比呂は今日も朝の仕入れだけバイトで、そのあと10時から部活(レギュラーのみ)があって、
そんで12時から遊んだんだけど、なんかすごくやつれてて
『調子悪いの?』ってきいたら、寝ぼけたようなかおで『ううん。』っていわれて
すごくかわいいから、両手を握った。そしたらへへってうれしそうに笑ってくれた。

昨夜一晩、俺も不安で、明け方やっと寝付けたんだけど、夢の中で俺、比呂にふられたんだ。
夢の中の比呂は、泣きながら俺に何度も何度も謝って、
目が覚めた俺は寝ながら泣いてたことに気がついた。現実じゃなくて、よかったー・・・。

で、2人とも睡眠不足気味だったせいか、バスの中で爆睡・・・・。
終点で運転手さんに起こされて、2人で照れ笑いしながらバス停3つ分歩いた。
比呂は手をつないでくれてー・・なんかすごくうれしかった。
ちょっとは元気になったのかな?・・それとも無理してくれてるのかなあ・・・。

店についた途端、比呂の目がきらーんとかがやいて、電動工具コーナーから一歩も動かなくなっちゃう。
10万くらいする電動機具とかを衝動買いしようとしてるから必死になって説得してやめさせた。
将来奥さんになる人、大変ね!・・って

それって俺?



ハンダとかペンチとか軍手とか蛇口とか、イチイチ比呂が反応しちゃって、もーほんと、俺こまっちゃったよー。

『店のインパクト調子悪いんだよな〜・・。こんぐらいの重さのヤツ一個欲しいなー・・買ってもいい?』
『だめです。』

デートで工具買う高校生っておかしいでしょ!!!

でもなんか昨日よりもいっぱいしゃべってくれて
学校から大分離れてるからか、すっごくそばに寄り添ってくれたりして
好きなネジとかみつけたり、欲しかった荒さのヤスリとかみつけると
『那央っ!ちょっと!きてきて!』って俺を呼ぶんだ。

ま、呼ばれてそばにいったとしても、たいした用事があるわけじゃなくってさ。
『なんだかんだ俺、サンドペーパー派かもしんない。さいめのペーパーで磨くの好きだし。』
『あ、そう。』
・・・・そんなことをのんび〜りとしゃべる比呂ちゃんが俺は好きですよ〜。

比呂がこんなにいろいろなものに反応できる店ってすごい!
っていうか気がついたら余裕で1時間とか経ってたからめちゃくちゃびびった。

外に何軒かカフェ的な店があるのをしってたから、ごはんを食べようってことになったんだけど
そのまえに俺、トイレにいっておこうっておもって、木材コーナーで比呂に、『ここで待ってて!』っていっておいたの。
そしたらトイレがわけわかんないとこにあってさ〜・・・。俺、トイレ出た途端、方向感覚ゼロになっちゃって・・・。

場内放送で呼び出してもらった・・。



そしたらちょっとしてからきて『おまっ・・フルネームで呼び出すか普通!!!っていうか、何のために携帯あんだよっ!あほかっ!!』
って、めっちゃくちゃ怒りながら比呂が登場。俺がしょぼんとして『ごめんね〜・・』っていったらすぐに許してくれたんだけど。

一旦店の外に出て、オーガニック系のカフェにはいった。そしたら雑穀粥セットってのがあって、比呂はそれを頼んだんだ。
『胃・・まだ調子悪いの?』って俺が聞いたら、比呂は少し考えてから黙って頷いた。

『那央〜・・・。』比呂がぼんやりとした顔で話を始めた。
俺は自分が見た夢を思い出す。体中が堅くなって・・怖くなった。何をいわれるんだろうって・・そんなふうに。

そしたら比呂が、最初に運ばれてきた
つぶつぶキビのポタージュをスプーンでかき混ぜながら
『さっきの店。奥にペットコーナーがあってさ〜・・。』
とか話し出すの。

・・・・・

『俺・・横浜いったら猫飼いたいんだけどー・・
でもあの店にいたハムスターがめちゃかわいくってさー・・。』
『ハムスター?』
『うん。・・・お前、苦手?そういうの。』
『ううん。好きだよ。』
『じゃあ飼おうかな〜・・・。なんかほんとかわいくてさー。』
『・・・・そうなの?』

そしたら比呂がいうんだ。

『他のハムスターは何匹もいるのに・・そいつだけは箱の中に一匹しかいないんだよ。』


ごはんを食べた俺たちは店に戻る。比呂が言ってたハムスターは、本当にかわいらしかった。
『かわいいなあ〜!!!!!』って、俺がメロメロになってたら、比呂がふふってわらって
『那央が大丈夫なら買っちゃおうかな。』っていうから
『なんで俺?』ってきいたんだけど、そしたら比呂がふっつーにさ
『だって一緒に住んだとき困るだろー。お前がこういうの嫌いだったら。』って。


俺は返事はしなかったけど、顔がどんどん真っ赤になって
比呂の隣で幸せだった。2人でケージや水入れとかも選んだ。

『さや君は大丈夫? 』
『ああ。うん。俺の部屋で飼うから。』
『・・・そっかー。でも、ハムスターって夜行性でしょ?回し車とかうるさくないの?』
『・・ああ。でも俺・・あんま静かだと駄目なんだ。物音してるくらいの方が安心して眠れる。』

・・・比呂。

・・・一緒に幸せになっていこうね。

バスの中で比呂とずっと手をつないていた俺は
箱の中でカサカサと動くハムスターを愛しそうに見る。
まだまだ比呂は前よりも口数が少ないし
時々ぼんやり遠くを見て、何かを考えてたりするけど
今日一日比呂と一緒にいて・・何故だろう。不安は大分消えた。


どんどん比呂を好きになるよ。
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