ジャンプ

今日は半日だった。でも、俺は生徒会で、比呂はバイト。
だから日記渡してそれで終わりだった。生徒会のあと、俺は塾だったし・・・。

今日、俺んち学年は2時間目が愛校活動で
用具のペンキ塗りとかをしたんだけどさ
1年が運動場でさ・・走り高跳びの授業をしてたんだ。
そしたら先生が『こんのー』とかよんでさ、比呂がお手本をしたんだよ。

すっごいキレイな背面飛びでね。俺は見惚れた。
麦もじっと比呂のことを見てた。

そのあと麦とちょっとだけ話したんだ。
比呂はなんで陸上をやめたのかなって・・・。
俺らが聞けばそれっぽい理由をあいつは言うんだけど
でも本当の理由は、きっと誰にもいってないんだろうなって・・

それを横で聞いてた坂口が
『そこまで深読みする必要あんのー?あの子も結局普通の子だしー
比呂が言う理由がほんとの理由でしょー。っていうか、
別に理由がなんでも、俺らが気を使うことじゃないっしょ。』
って、あっけらかーんといった。

『まあ・・そうだなー・・。』
って麦はいうんだけど、俺はやっぱ色々考えちゃう。
これからずっと共に歩む比呂だ。いつか打ち明けてくれるかもしれないけど

あんなに綺麗に今でも飛べる。からだに染み付いた陸上の世界を
すぱっと切り捨てた理由はなんなんだろう。

そこまで大事にしていてもきっぱり捨てれる比呂は
本当にずっと俺を捨てずにいてくれるのかな。

あこ先生と別れて・・・それからOLの人とも付き合って
俺と付き合う前にも彼女がいて・・でも今は俺の彼氏で・・・

でも比呂は大事な人っていうか・・好きで好きでたまらなかった人を
捨ててきたっていうか・・ふった?っていうかそういう経験が何度もあるんだよね。

次に誰かがふられるとしたら俺の番じゃん・・・。

怖くなって、小沢に泣きついたらぱこーんと頭をはたかれた。

『信じろ。自分の彼氏を。』



・・・・うん。



信じるよっ!!!


2008/12/18(木) 23:03:34
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