やっと。

ただいま。ふわー・・・・・
のんびりぬくぬくできてうれしかったなー・・。幸せだったー・・・。
比呂、やっぱり俺にとっては王子様だ。頼りになる。安心する。

ラブホいって、風呂に入ってー・・いざベッドにあがったら勇気でなくてさ。
死んじゃったらどうしようって不安になって、
半べそかきだしたら比呂が、抱きしめてくれてさ。
キスしたら半分安心した。唇を離すとまた不安が戻って
見つめ合ったらまた安心した。

それだけで満たされる。

比呂ね、俺をラブホに誘うとき『ガマンできない』とかいったんだ。
でも別にエッチ云々じゃなくて、ゆっくり抱き合いたかっただけみたい。
俺に触れて、舌を這わせて抱きしめて、何度もイかせるんだけど
自分はなかなか挿れてこないんだ。勃たないわけじゃないんだけどさ
だけど最後の方・・ゆっくり俺に入ってきて、静かに静かに動かした。
『那央ちゃん』って言葉が心を溶かして、つながった部分がじわりと熱かった。

そのエッチを一回だけ。でも時間をかけてゆっくりとして
汗ばむ俺の前髪を指ですきながら、比呂が話しかけた。

『なおー・・・。 』・・甘くかすれる声。俺はぼんやりと比呂を見る。すき。すき。
『なに?』俺は静かに返事をした。

俺の髪をすく比呂の指に自分の指をからめる。
比呂は絡み合う指先を見つめたあと、俺の目をみつめた。

『俺・・・。』
『うん。』
『・・・お前と沢山約束したのに・・一度死に掛けたじゃん。』
『・・・・』
『ごめんな・・。心配かけた。』
『・・・いいよ・・そんな・・・。ちゃんとたすかってくれたし・・・。 』
涙が出た。

『・・・これからかなえていけるように・・俺・・がんばるから。』
『・・・・・え?』
『約束・・お前との約束。ちゃんとかなえていけるようにがんばるから。』
『・・・・・・ひろ・・。』
『・・・・俺とずっと一緒にいて。』
『・・・・・うん。』


頷いた俺を比呂が抱きしめる。
息だけの声で『ありがとう』っていう比呂の声は震えていた。

ずっと一緒にいようね。この約束だけは、絶対。うん。
俺を置いていっちゃいやだよ。もう懲りたもん。
比呂のいない辛さとか・・さ。




2009/03/10(火) 23:49:53
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