比呂と喧嘩したー・・。

比呂と喧嘩した・・・。

今日も学校半日で、俺、小沢に飯食いに行くの誘われたんだけど
比呂と今日もぬくぬくしたくって、断ったのー・・なんか・・。それが1時間目の休み時間だったんだけど、
三時間目の休み時間に比呂に呼び出されて怒られた。

『なんで潤也の誘い断ったの?』・・・モロ不機嫌な声で俺にきく比呂。
『だって・・比呂と・・。』・・そこまで言って、言葉が続かず黙る俺。
比呂は溜息をついて、俺を叱ったんだ。

『ねえ。俺、今日はお前と約束してねえよ?お前、潤也と遊べるの久々なんじゃねえの?
何でそういうの断るの?つか、俺との約束あったとしても、潤也を優先しろよ。
俺とのことなんか、いつにでもずらせるんだからさ。』

・・・俺とのことなんか?ふざけんなよ。バカ比呂。
俺はお前と24時間抱き合いたくて気が狂いそうなんだよっ。
俺、比呂をにらみつけた。でも比呂は動じない。全然。

結局そのまま比呂とは話さないで、気を使った小沢が、俺をまた昼飯に誘ってくれた。

カフェに行って、まず小沢に謝られる。
『ごめんな、俺が余計なことしたせいで。』『・・ううん・・。君は悪くないよ・・・。』
『・・でも比呂と喧嘩になっちゃったじゃん・・。』『あれは比呂がガンコなバカだからだ。』

小沢は困ったような顔で笑う。泣くのガマンして変な顔してる俺を見て
すげえ困った顔して、そんで笑うの。

『ユッキーは・・わかんないのかなー・・。大事にされてるのにね。比呂に。』

はいはい。また比呂の味方すんの。お前俺の友達じゃなかったっけ?
俺は運ばれてきた海老クリームパスタをフォークでつついて、黙っている。
小沢は自分のピザくいながら、黙る俺に話しかけてきた。

『・・俺・・彼女とわりと順調でさ。その報告をお前にしようと思って。』
『・・・え?』
『ほら。みんな一緒のときに、なんとなく話したりは出来たけど、なかなかゆっくり時間とれなかったじゃん。』
『・・・・ああ・・うん。』
『だから前もってさー、比呂にきいといたの。今日ユッキーと会うの?って。』
『・・・。』
『そしたらあいつ、那央を誘ってやってーって、笑って言うからさ・・。』
『・・・比呂が?』

俺はフォークを置く。

『そう。最近お前にさ、なんか気苦労かけてばっかだったから、愚痴でも聴いてやってって言われた。』
『・・・。』

やめて。それ以上言わないで。比呂の前以外で泣きたくない。

『・・・なんかあったの?比呂と。』
『・・・・・。』
『・・・・・。』
『・・・こないだ・・・。』
『うん。』
『比呂が・・急に精神的に落ちちゃって・・・それで・・・。』
『・・・うん。』
『・・・俺・・・必死になって比呂を引っ張りあげようとしたんだけど・・・。』
『・・・・。』
『結局・・比呂は俺に気づかって自分で復活したような感じだった。』

ぼろって・・涙でたのがわかった。しゃくりあげてしまいそうだったから口を押さえてうつむいた。
頭を撫でられて顔を上げる。小沢が俺の頭を撫でてくれてた。

『大好きなピンクちゃんが、引っ張りあげようとしてくれたから
最後の力を振り絞って比呂は這い上がれたんでしょー。』
『・・・・。』
『大好きなお前が泣いてくれるから、涙拭く為に頑張ってるんでしょー。』
『・・・・・・・・。』
『そういうのは、気遣いじゃなくて、愛情なんじゃねえの?』
『・・・・・。』
『卑屈な考え方しない。ユッキーの悪い癖。』


・・・・・そんなの・・・生まれたときからわかってるよ・・。
・・いや・・・でも・・でも・・なんか・・・

俺が比呂に愛されていることを、小沢に他人の意見として
言ってもらえたことが・・やっぱすごく嬉しかったし・・・視界がぱーっと広くなった気がした。



小沢のノロケ話聞いて『仲直りしてねー。』といわれて、俺等は別れた。
帰り道、比呂の家の前を通ったけど、自転車がない・・・・。
バイトもないはずだし、どこをほっつき歩いてるんだろうって思ったら
結局またむかついてきて、俺はそのまま帰って不貞寝した。


・・で、今起きて携帯を見る。特別比呂から着信もナイ。
なんか、すっごく悲しくなって・・あー・・もー・・
声が聴きたいよー・・・。

2007/12/05(水) 22:16:29
NEXT