さっいこーはっぴー!

ただいま。ほんとに夕飯だけ食べて、帰ってきましたー。
『最近、ずっと夜遅いから、早く帰れ。』っていわれ・・。ちぇ。
おとーさんか。お前は。

塾前で待ち合わせして、そんで近くのカフェでご飯食べた。
おしゃれ料理に私服の比呂。
何でか今日はめがねかけてますぞ?なして?
まあ、似合ってるから別にいいけど。
格好もちょっといつもよりなんか、大人っぽい感じなんだよね。
持ってるカバンも、すこしシック系ショルダーだしさ。
・・・・・なんか、いつもと違う・・・。

『ねえ比呂?』
『ん?』
『・・・今日・・学校帰ってからどこか行った?』
『ああ、うん。』
『どこいったの?』
『買い物とか。』
『どこに?』
『色々。』

料理、運ばれてきた。比呂は四季野菜とチキンのプレート。
俺は海老と白身魚のグリルプレート。
飲み物は2人してコーヒー。食後に持ってきてもらうんだー。

おなか激減りだったから、とりあえず2人でいただきますした。
食いながら俺は比呂をチラ見する。
この人に昨日エッチされたんだ・・。おお・・・。なんか・・
すげえ優越感。

おとなしくしてれば結構イケメン系に見えなくもないというか・・
『比呂って、黙ってると、意外といけてる顔に見えないこともないよね。』
って俺、笑顔で言ったら
『・・・・・・・・・・それって・・どういう意味・・・・。』
って、比呂が怪訝な顔で俺を見る。

も〜!!!そういう顔がかっこいいんだって!もー。わかってないなー。
『だからー、人の顔って、造り云々じゃないんだってことだよ〜?。』
って言ってあげた。

そしたらね。

『造り云々じゃないのね。そりゃどうも。』



だって。あれ?なんかあんまうれしそうじゃないなー。 
まいっか。きっと疲れてるんだ。

俺は比呂の、そういう納得いかない系の顔が好きで、うれしいから
ニコニコ笑って話を続けた。

『ねえ。何買ったの?』
『エロ本。』
『・・・ほかには?』
『パンツ』
『・・・・ほかには?』
『忘れた。』

もうっ!!

なんだよなんだよもう!ほんとは違うもの買ったんだろっ!

あしらわれて、ちょっとむっとした俺。いいよいいよ。飯食うのに集中するからっ!
そう決めて、黙々と飯食ってたら、頭をぱこんとはたかれた。いて!

『なんだよ!』
『それ、俺の台詞。話があるって言ったのお前だぞ?』
『あ・・・・。』
『でたよ。また『あ・・・。』。』

そうだ。俺、比呂に話があったんだ。

俺が黙っていたら、比呂は箸をおいて、じっと俺を見る。
ああ・・その目。好き。もっと俺を見てよ。
見つめ返したら比呂が、首をかしげた。

『・・・なにそれ・・にらめっこなら負けねえよ?』

・・・・

ち!が!う!!!!



『ちげーよ!にらめっこじゃねえよ!!』
『じゃあ、なんだよ。いえよ。ほら。』
『・・・・・。』
『・・・・。』
『・・・・・。』
『・・・・・。』

沈黙。

だって今日の比呂、いつもよりも、すっごい大人っぽいんだもん。
見とれちゃうし、焦っちゃうし・・・・。
昨夜比呂に刺激されたトコが今も、比呂の熱と固さを覚えてるんだもんよ。

じっと見てたら比呂が、俺が何も言ってないのにね、察してくれたんだ。
『・・・こないだの留守電のことか?』

・・・俺は、コクリと頷いた。

俺、こないだ、比呂の留守電に、
<比呂は、本当に俺が大好きですか?後で電話して。
ってそういれたのね。
でも、その後電源切っちゃって、それをすっかり忘れてて
答えをきいてなかったんだ。
スルーしてもよかったんだけど、気になって・・・。

じっと比呂を見る。どきどき。
さすがに『お前なんか、大嫌いなんだよ、クソがっ!!!』的な
暴言はかれるとは思わないけど・・
『スキだよ。』って言ってもらえると思うけど・・・
でも、こんなとこだし・・カフェの中だし・・・
はぐらかされちゃうかなー・・っておもったら

比呂、周りをきょろっと見渡して、すっごい小さい声で

『ほんとにほんとに だいすきですよー・・・』

って、ヒソヒソ話するみたく言うんだよ。


わあ・・・・。

それを言った後の比呂の笑った顔。まいったなーっていう感じの顔。
前髪が降りて、その向こう。目元を指の関節でこすりながら照れて笑う比呂。

まっすぐな髪。

比呂の前におかれたお皿の上の、色とりどりの野菜、
透明なコップに入った透明な水と氷。

全部があまりに素敵過ぎて、失神しそうな俺。サイコー!!

ご飯食べて、後から運ばれてきたコーヒーに
比呂がケーキをつけてくれて、パクパク食べたら
俺のほっぺについたクリームを左手の親指で拭ってペロッて舐めてくれる比呂。
うーわーーー。・・どきっとした〜・・・。
たわいもない俺の話。笑いながらきいてくれる比呂。

食い終わると、あたりまえのように伝票もって
俺より先に歩いていって、レジで支払いしてくれんの。

『・・いつもありがとう。』
『・・・ここ、結構美味いねー。』
『美味かったねー。魚、すっげーうまかった。』
『じゃあ、またこような。』
『うんっ。』

そんなやり取りが、俺のおなかの中にバラでも咲かせちゃったみたい。
もうね。すっごい恋心がヤバイ。

帰り道、人目があったからキスも何も出来なかったけど、
俺を送った後、比呂が俺んち前から、自分ちに帰るとき・・・
自転車を漕ぎ出す一瞬前に、俺の方を振り返ったの。
俺が黙って笑ったら、比呂も何も言わずに微笑み返してくれた。

それがすっごくすっごくあたたかかった。

体感温度がグングンあがる。
このあたたかさは比呂のぬくもり温度だ。
体全部で吸収したいなー。好きだから。


ほんとにほんとに大好きだからっ


2007/12/20(木) 22:52:03
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