自習。

あーあ。比呂が遅刻だ。
寝坊とかじゃなくて、病院みたい。

朝、俺のとこにメールが入って

<今日遅刻するー。
<昼飯までには行く。
<なんかかってってやるよ。
<あと、部活終わったら、ちょっと遊ぼうよ。
<DVD予約しにいきたい。
<夕飯一緒に食おうよー。あ、昼飯も。
<秋山さんに借りた漫画読む?
<麦が髪切ったんだってー。
<じゃまたあとでー。




遅刻の理由知らなくて、学校いったら小沢が
『比呂まだ病院かよってんのー?』とか言うんだー。
朝、小沢が比呂に電話したらしいんだよね。何の理由かわかんねーけど。
そのとき、病院行くって言ってたんだって。
『早く終わればいいなー』ってぼやいてたみたい。


俺にはそんなことなんも言ってくれない。
小沢にそれを打ち明けたら
『心配かけたくなかったんじゃねーの?』
といわれた。

心配くらい・・させてくれたっていいじゃん・・・・。

そしたらさ、小沢の隣にいた坂口が俺のほうに手を差し出して
『見せて。比呂からのメール。』とかいう。
だから俺、そのまま坂口に携帯渡したら、
坂口は文面読んだあとに、俺にそれを返してくれて

『たぶん、そんな深い意味ないと思うよ。』
といった。
『深い意味?』
『そう。お前を気遣うわけでも、黙っているわけでもなくー。』
『でも俺、比呂から病院のこと聞かされてないよ?』

坂口は、あっはっはって笑った。

『俺だってそんなの聞かされてないよ。あの子はそこに書いてることしか、単純に思いつかなかったんじゃねーの?
昼飯夕飯一緒に食いたいとかー・・なんか買って行ってあげるよーとか。
そういうのがあいつのメインだったんだよ。病院なんかとるにたらないことっていうかさ』
『えー?』
『病院いったあと、お前に会えるのが楽しみで仕方ないんだと思うよ。あんまいじけてやるなよな。』


・・・・そか。そだね。ごめんね・・比呂。ありがとう、坂口。

比呂の真意はわかんないけど、俺にくれたメールには
俺の方こそ楽しみになってしまうようなキュート話ばっかだったんだよね。
飯に誘ってくれたり、遊ぼうよっていってくれたり。
コレを打ってるときの比呂の姿を生で見たいよ。

そしたら安心できるのに。


もうすぐ昼飯時間だー。
病院混んじゃってるのかな。
疲れきって、やっきりした顔で教室に入ってきそうだな。


でも、俺と目が合ったら、きっと笑ってくれそう。


おしゃーーーっ。テンションあげてくぞーーー!!!

2007/04/16(月) 11:08:14
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