2007/6/5 (Tue.) 17:14:03

最近、隣の比呂君が怪我ばっかりしてるから、心配になってご飯ものどを通らない。
体重計に乗ったら、2キロ減っていた。

だって大好き何だもん。

だけど私は比呂君の彼女じゃない。ただの隣人。中学の後輩。その程度。
かなしい・・。

貧血気味で、ゆっくりと通学路を歩いていたら、後ろから声をかけられる。比呂君だった。

『ちかげ?』
何で疑問系なのよ。私はこくんと頷く。
自転車にのってた比呂君は、自転車から降り、私に歩幅をあわせて歩いた。

『・・・調子わるそうじゃん。』
『・・・。』
『大丈夫かよ、顔色悪いけど。』
『だって生理だもん。』
『・・・・・・・・・・・・。』
『・・・比呂くんこそ・・怪我どうなのよ。』
『・・俺は大丈夫だけど・・お前・・なんか・・やせねえ?』
『・・・・。』
『飯とか食ってんのか?っていうか、朝飯くったのか?』

誰のせいの食欲不振よ、ばか。

『ごはんなんかいらないもん。』
『ばーか、しょーもねーな。何か買うから食えよ。』
そういうと比呂君は自転車で、どこかにいってしまう。5分位して。

私は相変わらず通学路を無気力に歩いていた。
すると、また背後から声をかけられる。比呂君だった。

『なんで通学路破りしたんだよ!さがしただろ!』
『・・・・・。』

そうだ、この人しらないんだ。今年から通学路が新しくなったこと。

一生懸命探してくれたみたくて、少し息を切らしてる比呂君。
かわいいって思った瞬間、めまいがして思わずふらつく。
地面に倒れそうになったところを、比呂君に片腕で抱きとめられた。

『・・・送ってく。帰れ、お前。』
『・・・送ってくって・・・。』
『乗れよ、後ろ。』
『・・・。』
『ほーらー。』

比呂君の自転車の後ろにのって、腰に手を回す。

・・・どうしよう・・・どきどきする。

すると比呂君が、私のその手をぐいっとひっぱって、
『ばーか、ちゃんと捕まってろよ。落ちるだろっ!!』
と叱る。・・・・だから比呂君の背中に体をぎゅっと寄せる。

頬も胸も、全部比呂君の背中に押し寄せて、目を閉じる。
比呂君は、自転車をゆっくり走らせる。
角を曲がるたびに私の体を後ろ手に支えてくれるのが嬉しくて涙が出そうになった。

『おばちゃーーん。ちかげ送ってきたー。』
私の家につくと比呂君は、熱が上がってきた私を背負い、玄関まで運んでくれた。

『あらやだ比呂ちゃん、ごめんなさいねー。』
『なんか熱がでてきたみたいで。』
『・・・・大丈夫?ちかげ・・?』
私は返事できなかった。

『ほら。くいな。お前の食の好み、わかんねーから適当だけど。』
比呂君がコンビニ袋を私に渡してくる。
ずしりと重い。中を見たら、飲み物やデザートまではいっていた。

比呂君をみおくって、私はへやにあがっていく。
机の上、写真たてに飾ってある比呂君の写真をじっとみた。
そのとなりには、バレンタインのお返しにって、比呂君がくれたかわいいマグカップと、
水玉模様のパッチワークでできたコースターが飾ってある。


比呂君の背中や腕を思い出す。

男の体つきだと思った。

こんなに心配してもらえるなら、私毎日でも病気でいいよ。
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