やった〜!!!!

比呂と・・また付き合えることになった。嘘みたい!!!嘘みたい!!!

放課後・・比呂に『話がある』っていわれて、超ドキドキしてついていったら・・
体育館の外階段のとこまで歩いて『座って?』って俺を座らせる比呂。

俺が階段に腰掛けたら、比呂が俺のほうを向く感じで
地面にしゃがみ、そんで俺に言うんだ。

『俺・・色々考えたんだけど・・』
『・・・・。』
『別れちゃったことの事で・・色々考えたんだけど・・。』
『・・・うん。』
『何考えたか忘れちゃったから、言いたいことだけ言うね。』
『・・・・。』
『俺、どうしても幸村の事が好きだから・・・だから・・
もう一回・・付き合って・・欲しいから・・っていうかいやっ・・ごめんっ
やっぱなんでもないっ。』

・・・・・。


何を謝ってんのー!



俺、もう・・なんか・・・そんないきなり・・っつか、
心のすげえ片隅で・・ちょっぴり期待はしてたけど・・
でもなんか・・マジで?みたいなかんじで・・・うそでしょーー!
みたいなかんじで・・・・、困惑してしまっていたら・・比呂が立ち上がって俺にこういった。


『や、いいよいいよ!やっぱいい!ごめん!今のなかったことにして!』
そんで(何故か)後ずさりしだすと、『じゃ!また!』っていって走っていってしまいそうになった。

『ちょっとまってーーーー!!!!!』俺は大声をあげる。
比呂に走られちゃったら追いつけない。比呂は、すっげー困ったような顔で、黙ってる・・・。

かわいい・・・。

俺、比呂の方に歩み寄って、そのままぎゅって抱きついた。

うわ。

比呂の体。なんか何年もこうやって、抱きしめてなかったような気持ちになる。
いいにおい・・。わー・・好きだ。大好き大好き大好き大好き。

俺が抱きついてたら、比呂が突然俺を肩に担いで、階段をダダーーーっとあがっていく。
びっくりというより、気絶するかと思った・・・というか死んだ。
階段駆け上がって、体育館のバルコニーで俺をおろすと比呂は、
ハアハア息をおどらせて、そんでその場に座り込んでしまった。

『ど・・どうしたの?』俺は比呂の頬を触る。
比呂が、呼吸を整えながら『ノガミ・・先輩が・・見えたから・・ヤバイと思って・・』

ははっ・・・。そっかー・・。あの時俺、抱きついてたから。

ハンカチ出して、ちょっとだけ汗ばんだ比呂のデコをふいてやる。
そしたら比呂が俺の顔をじっと見て、左手で頬をぬぐったんだ。

え?・・・っとおもったら、比呂が拭ったのは俺の涙だったようで
ぽたぽたと、比呂の制服のズボンの上に落ちていく。
悲しくもないのに、勝手に涙が出てビックリしたんだけど、そしたら手も体も震えだした。


俺。嗚咽をあげて、わんわん泣いた。

比呂がぎゅっと抱きしめてくれて、『ごめんなー。』って、髪を撫でてくれる。
安心を・・心の底から安心をしたんだ。
体中に刺さってたトゲみたいなのが、全部抜け落ちたような気がして
心の中のストッパーも全部外して俺は、比呂にすがりついた。


何がなんだかわからなくなった・・・。

しばらく泣いて・・泣きつかれて、俺は少し眠くなったんだけど・・
今日は塾に行かないといけないから・・眠気を抑えて話をした。


比呂は悪くないんだもん・・。今回の件は、俺が悪かったんだ。
勇気を出して俺の気持ちを比呂に言った。全部話した。

比呂は、黙ってきいてくれてて、全部聞いたあと、『わかった』って言ってくれた。
その後少し考えて、俺にこんなことを言ってくれたよ。

『那央は悪くないよ。全然悪くない。
愛情をもらってばっかだって言ってるけど・・俺だってお前には色々なものをもらった。
お前が笑ってくれると、すげえ元気になれたし、バカな話にも付き合ってもらえたし・・
俺が夜中になんかもってっても、いちいち喜んでくれたし・・・俺、そのたびに幸村は・・すげえなあって思ってた。

俺がどんなに気持ち押し付けても、全部お前は受け取ってくれるじゃん。そういう度量があるんだとおもう。
そりゃヤキモチ焼いたりするけどさ・・・束縛されたなんて思ったことない。
好きな人間の独占欲を束縛だって思うんなら、もう恋愛なんか破綻してるんだと思う。少なくとも俺はそう思う。
俺は、いちいちお前が心配してくれて、嫉妬してくれてわめいてくれるのが、うれしかったよ・・。やべえなーって。
愛されちゃってごめんなさい★みたいなかんじで。』
『・・・・・・。』
『いつも見ててもらえて・・嬉しいなって思ってた。』
『・・・。』
『だから俺・・安心してお前の事、ずっと好きでいられたんだと思う。』
『・・・・比呂・・・。』
『なんも悪い事なんかなかったよ。それに、されて嫌なことは、俺、ちゃんというし。』
『・・・・。』
『今、しいて言うなら・・なんていうか・・、カマかけるみたいなかんじで、
別れ話を持ち出すのはやめて欲しいなあ・・ってことくらいで・・。』
『・・・・。』
『やっぱお前のこと、ほんと大好きだから・・。別れるよりも不幸なことが世の中にないよ、俺にとっては。』



もう・・・・。
比呂がそんなことばっか言うから、俺はちっとも涙が止まりやしない。
結局俺・・そのあと30分くらい、延々と比呂の胸で泣き喚いた。



比呂は今日もバイトなんだって。10時にあがるみたい。
『あおうよ。』っていったんだけど、『昨夜もお前連れ出しちゃったから。』っていうんだ。
でも電話してくれるんだって。だったら俺はそれを待とう。


とりあえず風呂にはいって、今日の感動をリピートしたい。ピース。


2007/06/08(金) 20:33:18
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