らっぶらぶー

放課後、部活が終わったあとあたりに、比呂が見舞いに来てくれた。
バイトまでの30分。ケーキとかお見舞い買ってきてくれて、俺は感涙に咽ぶ。
ジャージのままで来たから『着替え忘れたの?』ってきいたんだけど、
『着替える時間もったいなくて・・。ちょっとここで着替えていい?』
とかいって、リュック漁って着替えだしたんだよ!

・・・わあ・・。ありがとう。

着替えが終わると比呂は、リュックから紙を取り出した。
『ノートかいてる時間ないとおもって、コピーとってきた。』
『・・ありがとう!!!』
『あ、それでねー。』
そういうと、脱いだジャージのぽっけから、小さな紙包みをとりだす。

『あ・・・・。』

わあ・・。これ、俺が探してた食玩だ・・。
『サニマでコピーとったんだけど、菓子コーナーにいっぱい並んでてさ。
これだよな、お前、探してたの。』
『うん。』

前に雑誌読んでたときに、『あー、これ欲しいなー。』って
比呂になんとなくいったんだけど、そのとき比呂は
DSやりながら、『ふーん。』って、気のない返事してたのに。

ありがとーっていいながら、箱を開けて中のおもちゃを取り出す。
やっぱすっごいキュートでかわいい。
それを、比呂が買ってきてくれたんだから、価値が1000倍はね上がっちゃったよ。

その後は、比呂が相変わらず楽しく学校の話をしてくれて
時間なんか、あっという間に過ぎちゃったー。ちぇ。
見送ろうと思って、ベッドから出ようとしたら
『いいよいいよ。那央。外さむいから。』っていう。

『大丈夫だよ。』
『大丈夫じゃない。』
『・・見送りたい・・。』
『また今度ね。』
『・・・・・・けち。』
『・・・ゆっくり寝なよ。』
『・・・うん。』
『じゃあな、夕飯食えよ。』
『お前もな。』
『あいよ。』

風邪ひいちゃってる俺なのに、ちゃんと優しくキスしてくれた比呂。
俺が真っ赤になって、照れてたら
『バイトいくの、やになっちゃったなー。』って言ってくれた。


昨日借りた比呂のジャージとか、結局返せなかった。返すのもったいないんだもん。
これ着てると、比呂にぎゅーって、背中から抱きしめられてる感じがして、


すっごいすっごい安心するんだ。




2007/06/15(金) 22:39:47
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