半日授業 今日は半日ー。 なーんか、かったるくって、家に帰ってソッコー寝た。 比呂は、昼過ぎからバイト。よく働くな。比呂は。 6時に目が覚めて電話したら、比呂は家に帰ってうたた寝してたって。 一人ぼっちの家に帰って、うたた寝かー。・・つらいな。 電話口の比呂は明るくて、俺は会いたくてたまらなくなる。 『会いたいよ。』って強請ったんだけど 『もうメシの時間だろ?またあとで電話する。』だって。 ちぇ。 下から母親が俺を呼ぶ声が、電話の向こうにも聞こえたんだろう。 『比呂はご飯食べた?』 話が途切れたらアウトだと思って、俺はソッコー話を続ける。 『んー・・、とりあえずー・・もうちょい寝て・・あとでなんとかする。』 といわれちゃった。飯後に会おう・・とかもナシ・・か。 なーんか今日は絶対会えないんだって思って、悲しくなったけど 電話は切り際が大事っておもってさ・・ 『じゃ、比呂。飯くってくるね。おやすみ。ちゅ。』 ・・・大丈夫か俺 でも比呂は、存分に寝ぼけ状態だから律儀に俺に『おやすみ。ちゅ』 と、言い返してくれた。やっべ、超つぼった。愛してます! 電話きって、階段を降りて行ったら、クソババアがなんかタッパとか用意してて 『なにしてんの?』ってきいたら 『紺野くん、今一人なんでしょ?から揚げ作ったからもって行ってあげなさい』だって。 お母様っ(むせび泣き)お握りも握ってくれてあって、ポットに味噌汁はいってて 『あんたの分も入ってるから、いっておいで。』だって・・・。く〜っ。 俺、母親にお礼言って、比呂の家までチャリ飛ばした。 玄関は無施錠で、泥棒はいったらどーすんのーとおもった。 きたのが俺でよかったな。泥棒は泥棒でも、恋泥棒さんだから。 鍵を閉めて、階段を勝手にあがる。 比呂の部屋のドアを開けたら、比呂がベッドで気持ちよさそうに寝てた。 ただ起こすのも芸がないとおもって、俺は一階に行って まるで自宅キッチンのように茶セットを出し茶を入れて、おわんも二つもって、 で、比呂部屋のテーブルに夕飯の支度をセッティングした。 茶をいれたときに、湯のみがガチャって音をたてて その音で比呂がおきて、ベッド上の比呂としばし目があい見つめあう。 寝ぼけたような表情の比呂がすっごくかわいくて 見とれてたら、ガラガラ声で、比呂が言った。 『・・・那央・・ちゃん・・?』 俺は、全身でキュンときて 『おはよ。比呂。びっくりした?』 と返す。かわいいな。ちゅうしたいよ。 『びっくりした・・つか・・本物?』 『本物だよ。俺の母親が、お前に飯もってけって言うから。』 『えー・・。わ・・すっげ。から揚げだ・・。』 寝癖のついた髪、かわいい。ベッドから降りて比呂は俺を抱きしめる。 『お前の夢みたー。』 『えー?どんな?』 『那央が、ずーっと俺の真正面でトライアングル叩いてる夢・・。』 『(・・・それは精神的にキツい夢だったね・・・。)』 比呂は俺を背後から抱きしめたまま。左手で箸もってから揚げを食った。 『那央のおかあさんのから揚げ、うっまいねー。』 といいながら、俺の口にもから揚げを入れる。 すっげー幸せ。超うれしい。から揚げもうまい。マジサンキュー母ちゃん。 味噌汁も、握り飯も、全部美味しそうに食べてくれる比呂。 こんな風に美味しそうにモノを食う比呂が、俺はたまらなく大好きなんだー。あっは。 飯後に、タッパとか洗って、その後にいちゃついて比呂が俺を家まで送るとか言う。 チャリできたしいいよっていったんだけど、比呂はさっさと上着着て、玄関を開ける。 比呂が俺の自転車をこいで、コンビニ寄ってデザート系のもの買って 家に着いたら、俺の母親にお礼を言ってくれた。 なーんかそれも幸せで・・・ 自分の婿さんが、自分の母親と仲良くしてくれてるのが嬉しくて (かなり飛び越えた妄想ではあるが、その辺は気にしない) ニコニコしまくっていた俺をみて、比呂がふふって笑ってくれて そのまま比呂は、歩いて帰った。自分ち前の夜道に比呂の後姿。 あー・・・。すごいことだなー・・・。 大好きな比呂が、俺の生活圏に、どんどん思い出を置いていく。 寝る前のひと時に思い返そうとしても、全部なんかとても思い出せないほどに。 部屋で一人でウキウキしてたら、兄ちゃんがドアを叩いて 『紺野君がくれたプリン、食う?』っていってコーヒーとプリンを持ってきてくれた。 比呂と付き合い始めてから、飲めるようになったコーヒー。 大好きな人の影響を受けながら、進むべき道に進んでいく俺。 どんな方向に向かっていっても、大丈夫な気がしてくるよ。 その核にはしっかりと自分がいて、その自分が比呂を大好きでいるのなら。 2007/11/01(木) 23:22:42 |
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