2006/9/14 (Thurs.) 23:41:21

朝方ちょっと雨が降って、そのあとぱーっと晴れてきて
午後から風が強くなって、グラウンドでの体育で砂だらけになった。
光が丘は他所の土地より、ちょっとだけ風が強いので有名。
体育を終えて教室に戻ろうとした紺野を、職員室の先生が呼び止めた。


『こんのー』
『なーーーにー?』
『グランド水まいてー。砂がこっちに舞ってくるからー。』
『あ、はーい。』
比呂はホースをもって、水道の蛇口をきゅきゅっとまわす。

古びた薄い紺のゴムホースから、透明な水が勢いよく流れ出た。

比呂はホースの先を指で押さえて、その水が霧状になるよう加減をする。

水をまく比呂。強くなった日差し。木々を揺らすほどの風が、水の粒子を拡散させる。
霧状の水に乱反射した太陽の光が比呂の周りできらきらとしていた。

『せんせーーーー!水ってどこにまくのー? 』
『全体ー。』
『全体ってどこの全体ーー!』
『運動場全部ー』
『ええええーーーーー!こんなホースで撒けるわけねえじゃーーーん!』
『ちょっと頑張って頼むよーー』
『スプリンクラーとかねえのーーー?』
『人間スプリンクラーさん、たのむよー。』
『先生〜!!人間ってねー!限界があるんだよーーー!』


あーあ・・。今日も平和だー。
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