Date 2006 ・ 10 ・ 26
椿平の思い出

部活の休憩の時、比呂がいきなりこんなことを言い出した。
『光が丘ってさ・・・信号多いよね。』
・・・・・
や、全国平均並みだとおもうけど。

『何でそんなこと言い出すの?』
浅井がゲラゲラ笑いながら言う。すると真顔の比呂がいったんだ。
『いやさ、こっちきてからさ、妙に信号が多いなって思って。』

麦が比呂の肩を抱いて、『椿平さんは、信号ねえもんな。』と笑った。
比呂は麦の言葉にカチンときたようで、『あるよ信号ぐらい!点滅のやつが。』と反撃する。

て・・点滅のやつ?


ふと隣をみると、浅井が早くも笑い死んでいた。麦と紺野の、会話が続く。

『点滅のやつってなんだよ。』
『年中黄色の点滅と赤の点滅のやつ。』
『・・・・・。』
『あ、あと、おれは見たことないけど、たまに赤になる信号。』
『何それ・・・日本国内の話?』
『馬鹿にすんなよ!隣の市じゃん。』
『は?』
『光が丘の隣じゃん。椿平』
『そんなにド田舎だったか?椿平。』
『ド田舎とか言うな、風光明媚な町なんだよっ。』
『風光明媚?』
『・・・・・・・意味とか聞くなよ』
なにその意味なし会話・・・。

麦と比呂の会話が続く。

『椿平って、車よりも牛や馬のほうが多いって噂ですが。』
『何時代の話?車のほうが普通に多いよ。』
『農耕車とかー、馬車あたり?』
『こらぁー。』
『まあ要するに、君はのどかな環境で育ったってわけな』
『一方的に要約するな。』

くだらない・・・。相変わらずすぎる。それとともに、平和な俺たち。
休憩時間が終わって、みんなで基礎練習に入る。その時比呂がボソッと言った。
『この辺あんま、牛とか歩いてないよね。』


ごめん・・・。比呂。
牛や馬が平気で道歩いてるようなとこは、日本国内でも有数の



選ばれし街だけなんだ・・





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