2007/04/26(木) 23:36:46

もう。

朝、学校にいったら比呂と坂口がロッカーの上で日向ぼっこしてた。
『おはよー。』って声をかけたら、2人そろって『おはよー』って笑った。

『どうしたの?』
そういいながら、俺は比呂のとなりに座ってみる。
ロッカーの上で三人で、ぬくぬく日向ぼっこ、気持ちよかった。

そのうち小沢が来たから、俺はロッカーから飛び降りて
小沢のほうに走っていった。比呂は追いかけてこない。ちぇ。

教室入るとき、ちらっと比呂のほうを振り返ったら
比呂と坂口が携帯出して、着メロ鳴らして遊んでいた。


『ゆっき君。』
小沢の声に、はっと我に返る。
『ヤキモチやいてんの?友情を愛情の敵にしてはいかんよ。』
もっともなことを指摘され凹む。

浅井が転校しちゃってから、どうもあの2人が目に付くのね。
麦は最近比呂とつるんでないけど、坂口はわりとべったり比呂に
くっついてるんだもん・・・・。

小沢が机に突っ伏して寝ちゃったから俺
小沢の髪を三つ編みしながら、ぼーっとしてた。
そしたら携帯がなるもんで、出てみたら廊下にいる比呂からだった。


『なに?』
ちょっと、きつい声で電話に出た。
比呂は無言。だから廊下の方に目を向ける。
そしたら比呂が俺の方を拗ねたような顔で見ていて
で、ぶちっと電話切って、どこかに歩いていってしまった。

何で比呂が怒ってんの?!

ロッカーに座ったままの坂口が俺に手招きをする。
寝てる小沢を放っておいて、俺は坂口のとこにいった。

『だんなさん、やきもちやいてるよ。』
『なんで?』
『なんでだろ。俺もわからん。』

目の前の天ぱーをみて、思わず脱力。こんな奴に俺、ヤキモチやいてたのか。
『ちょっと捜索してきます。』『あいっ。あの児童(小沢)は僕が預かりますから。』
そんな風にいう坂口のケツを、一発蹴っ飛ばして俺は比呂のあとを追った。

走られたら追いつけないから、そーっとそーっと、気づかれないように。


結局比呂に追いついたのは、職員室前の廊下。
岸先生におぶさろうとする比呂にとび蹴りして捕獲した。
猟奇的な俺らの様子見て、一瞬ひいてる岸先生がうけた。
ついでに二時間目のプリント受け取って俺等は歩いて教室に戻った。

『何で怒ってるのさー。』
『怒ってない(怒)』
『怒ってるじゃん。』
『お前の気のせい。』
『気のせいじゃない』
『・・・・。』
『・・・・・。』
『・・だって、お前が小沢にべたべた甘えるから・・。』
『・・・・は?』

あまりに突拍子なかったから、持ってるプリント落としそうになった。
『べたべたしてなんかいないじゃん。』
『してんじゃん。ばーか。うわきもん』
『・・・・・・。』
『俺の髪なんかあんなふうに、かわいくしてくれないくせに。』

・・・三つ編みの事を言ってるの・・か?

なんか文句言われてるんだけど、俺すごく嬉しくなっちゃった。

比呂の髪を三つ編みした事なんか、何度もあるよ。本当に。
でも後頭部しかしないから、お前が気がついてないだけだよ。
何度も髪撫でてあげてるじゃん。
その殆んどの時、お前寝てるけど。

なんだよもー・・・。そんなかわいいヤキモチやくなんて
比呂らしくもない・・・。


俺、プンプン怒ってる比呂の隣で、くすくす笑いが止まらなかった。
そのうち比呂も、文句いってすっきりしたのか
なんかどーでもよくなったみたいで
ファンタの新しい味のやつについて、けらけら話を始めてくれた。

ふふ。


ばーか・・だって。

うわきもん・・だって。

もうどうしてくれんの、俺のときめきハート。


教室に入ると小沢の後頭部の、三つ編みが芸術の域に達していたよ。
あはは。
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