ぐっすん。


嘘みたい嘘みたい嘘みたい!




なんか・・・比呂が来たよ!!!

さっき、携帯が鳴って、案の定相手は比呂で、俺が電話に出たらいきなり
『外見て。外。』とかいうから、窓から外を覗いたら、比呂が道のとこで手を振っていた。


うそーー!!とおもって、下に降りようとしたら『すぐ帰るからいい。ちょっとそこにいて。』
っていって、塀に登ると、そのまま庭木伝いに俺の部屋の窓のとこまで来てくれた。

・・・ほんと・・王子様みたいだー・・・。


『これ。』コンビニ袋を俺に差し出す。

『何?』
『見て。』
『・・・あ・・・』

袋の中には、俺がずっと食べたがってた限定味のアイスが入ってた。

『比呂・・・・。』
『偶然見つけてさー。それだろ?那央が食いたがってたのって。』
『うん・・・。』

・・・比呂・・。急いできてくれたのかな・・・ちょっとだけ、呼吸が速い・・。
那央って呼んだときの、な・・の部分が、少し声かすれてて、どきりとした。

比呂は俺ににこりと笑うと、『食って。すぐ帰って、電話するから。』という。

『今話せば?せっかく会ってるのに。』
『あーでもほら、時間も時間だし、おばちゃんも待ってるしさ。』
『でもさ、約束するくらいなら、そんな時間かからないっしょ。』

そんな事をいう俺に、比呂が軽くぱんちする。

『今話しちゃったら電話する理由が無くなっちゃうだろー』
とかいわれちゃった・・・・。へへ。そっかー。

『あっほだなー、お前は。』といいながら、ゆっくりと木をおりていって、
塀の上からジャンプで地面に降りると

じゃ、またあとな。

って、口の動きだけで俺に言って比呂は帰ってしまったんだ。


アイス・・・。うれしいな・・。会えちゃった・・・。すごいうれしい・・・。

そんでもまだ、電話の約束と、明日の約束はこれからなんだよ。

なんか得しちゃってねえ?大丈夫かよ。こんなに幸せで!


2007/05/03(木) 23:00:56
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