2007/5/6 (Sun.) 00:51:58

比呂がどうやら 熟睡してしまったようだ。・・・やっぱ最初にヤっておけばよかったかな。

昨日のデート代、全部比呂が払ってくれた。新幹線とか使ったりしたし、
すげえ金額だったと思うのに・・・。
俺と会うことが比呂の負担になってしまってるんじゃないかって、思うけど・・
でも比呂が・・言うんだ。

『俺、今まで年上の人とばっか付き合ってたじゃん。先生だったりOLさんだったり・・・。
おおっぴらに外であったりできなかったんだ。
いつも俺がその人のとこに通ってさあ・・そんなんばっかで。

だから嬉しいの。お前とこうやって人目気にしねえで
外で遊んだりできるのが、すげえうれしいわけ。
・・そんで・・好きな人のために金使えるのも、すっげえ憧れてたことだから・・
だから、気が済むまでは俺に払わせて?ごめんな。・・でもほんと、これだけは・・。』

・・・友達と一緒に遊ぶ時の割り勘は、俺もちゃんと払ってるし
そのへんの境は比呂の中で、はっきり分別つけてるようで
だから俺・・比呂の好意に甘えることにしたんだ・・・。

男同士で付き合ってんのに
『人目気にしねえで外で遊んだりできるのが、すげえうれしいわけ。』
なんていってる比呂が、なんかおかしかった・・。

ふふっ・・。

眠ってる比呂の寝顔。愛しいなあってほんと思う。
だけど・・この寝顔を、今の俺のように過去の女の人らも、見つめてきたんだろうな・・。


・・・胸が熱くなる。
・・・涙でた・・。
女だけじゃねーよ。
音羽さんも・・。

・・最低な人だったかもだけど、比呂を産んだこいつの母親も・・きっと一瞬くらいは・・・
一瞬くらいは比呂の事を・・愛しく思ったはずなんだ・・

声を押し殺して泣く。

この涙は、比呂にみられたくない。
いつもはわざと、涙を落としたり、嗚咽を漏らして、比呂に気づいてもらおうとしてた・・。
慰めてほしくて・・・。泣くほど好きな俺の気持ちを、比呂にわかってほしくって。

でも今日の涙は、見られたくなかった。
だから、そっとベッドから立ち上がろうとしたその時、腕をぐっとつかまれて・・

・・・比呂が、寝ぼけたような顔をして、俺を見ていたんだ。

『・・・おいで。』
寝起き独特の、かすれて低い声。俺は黙ってそれに従う。

抱きしめられて 更に涙があふれた。比呂の胸に顔を埋めて泣く。

そしたら俺の腹の辺りに、固いものがグっとあたって
涙流しっぱなしで、比呂の顔を見たら
『ほらみろ・・お前が泣くから・・・・・・・』
っていって、てれくさそうにそっぽ向いちゃうんだよ。


・・・・ふふっ・・・。


なんだよ。俺のせいかよー・・。ううん。全然いいよ・・。嬉しいよ。
なんか、欲望と必死に戦っているらしき比呂は
俺の体に腰があたらないよう、変な姿勢で俺を抱きしめた。

こんな風に大切にしてもらえるなんて。


幸せだ。

どうもありがとう。
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