幸せだなあ・・。 学校で、合同体育があった。マラソンだったんだけど、校外を走ったから すごく楽しかった。小沢や加瀬と一緒に喋りながらゆっくりと走った。 俺らのちょっと前の集団は、比呂と麦と坂口と斉藤と西やんがいて みんな寒いからか団子状になって走ってんの。 比呂と坂口だけがハーフパンツで寒そうでかわいかった。 途中信号に引っかかった時、ふた組全員が一緒になってさ。 そしたら比呂が、『お前らズルイ』とかいいだしてさ。 『ズボン長いの反則だ。』とかわけわかんないこといって。 で、麦が『うるせえなあ、おまえは。』とかいいながら 膝までジャージをめくりだすのね。コレで文句ナイだろ?見たいなかおで。 結局みんなジャージめくってさ。なんのための長ズボンなんだっていう話で。 先生は門で待ってるから、今日の当番の西やんが先導しないといけないんだけど そういうタイプの子じゃないからさ、結構自由にみんなで走ってさ。 そしたら移動販売車的なのが空き地に停まってて、坂口がそれ発見してさ 漬物屋だったんだよね。そしたら比呂がさー『金もってない?金!』とかいいだして。 ジャージのポケット漁った加瀬が『1000円入ってた。』とかいって、 『貸して!教室いったら返すから。』って加瀬から金を借りた比呂は 漬物1000円分買ってきました。もー!!!! そのあとはその1000円分の漬物どーすんだって話をみんなでして 『小分けにしてもらったからー、みんなが隠してよ〜。』って比呂が言うの。 どーしようもないあの人。俺と麦と加瀬と鈴木の4人で一袋ずつ漬物をかくまった。 学校着いたら先生がいて、先生自体、寒さで死に掛けてて 軽い運動して、授業おわって、昼休みにみんなで漬物を食った。 うまかった。 おなかいっぱいごはんを食べて、坂口と一緒に教室の床の 日が当たるとこで転寝をしてる比呂を俺はだまってみていて幸せだとおもった。 俺の座ってる席は麦の席で、麦は空いていた比呂の席に座ってあくびをした。 『ユッキー。毎日ちゃんと寝てんの?』ってきいてくれた麦の優しい気持ちがうれしかった。 『寝てるよ。もー・・ここまできたらまな板の鯉。』って俺が笑ったら、麦も笑ってくれて 『比呂がこないだお前の事を話してたよ。』っていうんだ。 俺、え?っておもってさ。なになに?っておもってさ。 『どんな話?』ってきいたのね。そしたら麦がふふって笑ってさ 『勉強大変そうだから、俺が受験かわってやりたいけど、 俺が受験したら大学落ちる・・・とかいって、ふがいなさを嘆いてたよ』てさ。 ・・・麦は・・そういう話を、俺にしてくれるから好き。 そういう何気ない話が・・恋してる俺にはとても大切なモノだから。 俺、そういえばこないだ、比呂が麦の話してたなあっておもって 『こないだ比呂が、麦がどうすればブロッコリー好きになるかってことかんがえてたよ。』っていったんだ。 そしたら麦が、ふふって笑って『・・・ヒマだなー。ばかひろ。』っていうの。 だから俺、そのときの事を思い出しながら 『野菜は体にいいんだから、食えるようにがんばりゃいいのにっていってるから 比呂もにんじん嫌いじゃんっていったら、俺は嫌いなんじゃないって。 好きじゃないだけだっていわれたよ。』って話したの。 麦、爆笑してた。『くっだらね〜。』とかいいながら。 俺もつられて笑った。そのあと床に寝てる比呂をみたら いつの間にか坂口と比呂の間に小沢まで寝てて、みんなの寝顔がかわいかった。 まあ、いつものパターンだね。 そのあとも麦とたわいもない話をして昼休みを過ごした。 俺、麦の事・・一年の頃とかスゲエ苦手だったんだ・・。 なんでかな・・麦は最初からイイヤツだったんだけど・・・俺の中で・・完璧すぎたのかな・・・。 だから、麦の前では緊張をした。 嫌われたくないとか・・・おもしろい話しなきゃとか・・ そんな風に一方的に緊張しちゃって、すげえぎこちなくなったりして。 でも、麦と一回言い合いしたことがあって、それが突破口になってさ。 友達に・・自分がどう見られるかっていう事よりも どういうやりとりを重ねていくかっていうのが大事なんだなーっておもった。 今は麦は俺の憧れ。かっこいいし・・頼りになるし。 麦みたいになりたいなあっておもう事はしょっちゅうある。 だけど、俺には全然無理だから・・だからせいぜい自分らしく頑張るよ。 そもそも俺らしさって何?っていうくらい自分自身が曖昧だから 自分探しからはじめるよ。 っていうか、受験頑張るよ。うん。 2009/01/14(水) 22:54:59 |
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