2009/3/14 (Sat.) 09:16:55

比呂君に告白をした。

ふられちゃったけど、比呂君の部屋・・ベッドで隣に座って一生懸命、泣かないように・・ひとことひとこと長い時間をかけてはぐくんできた
気持ちを言葉にして伝えた。

比呂君は、何も言わずに聞いてくれて、何分もかけて気持ちを紡ぐ私の言葉を
さえぎることなく、時々だまる私のことも何一つ言わずに待ってくれて
そしてしっかりと、私をふった。

『・・うん。わかった。ありがとう。俺、大事な人がいるから、ちかげとは付き合えない。』

それ以外、私を励ますこともなく、付き合えなくてごめんとか・・そういう言葉もなく

私の告白にお礼を言って、付き合えない事実を言って
黙っちゃったから、比呂君の腕をグーで殴った。

『いてえなっ・・』
『・・いいのっ。チカの心はもっと痛いんだからねっ。』
『・・・・なんでだよ。今のお前、本気パンチだろっ?!!』
『・・ばかーー!!!!』

ぱしぱし叩いてたら涙がすごく出る。大好きなのに。
大好きなのに。

『・・・比呂君。』
『・・・・。』
『ぎゅってして・・。』
『・・・・・駄目。』
『・・・・いいじゃん。一回だけ。』
『ぎゅ・・はだめ』
『・・じゃ・・キスして。』
『・・・なんでランクアップすんだよそこで。』
『だって・・・だってもう会えなくなるじゃん。』
『会えるだろ。隣なんだから。』
『じゃなくて!私ふられたんだよ。気まずくてあえないよっ!』
『・・・直後に人のことぶん殴っといて・・気まずいもなにもねーらに。』
『・・そうだけど・・・。』

ぽろぽろ流れる涙。

『・・・・じゃあ・・。』
『・・・・。』
『・・手・・つないで・・。』
『・・・手?』
『比呂君と・・手をつなぐの・・夢だったから・・』
『・・・・。』
『・・・つなぎたい。一生のお願い。』
『・・・・しょーがねーなー。別にいいけど。』

比呂君はそういうと、私の右手をぎゅっと握った。恋人つなぎで・・・ぎゅって。
細くて骨ばった手首。大きな手。男の人の手。

早起きして、一生懸命磨いた爪がきらりと光った。
小さな私の手。ひ弱な私の手。守ってもらいたかったな。比呂君に、ずっとずっと。

『手・・つないだの・・彼女に言うの?』
私は泣きながら比呂君に聞いた。比呂君は、ちょっと考えたあと、私に言った。
『言わないよ。別に。』

『・・・隠すの?』
『そうじゃねえよ。俺が言わないだけ。』
『・・・・。』
『言う必要ないから言わない。そんだけだよ。』
『・・・・。』
『俺とお前だけの思い出、それでいいだろ。』
『・・・・・うん。』
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