比呂ちゃん・・・・

比呂は毎日、忙しいみたい。
がんばって、元気に振舞ってくれてるのが、声だけでもよくわかる。

『大丈夫?』ってきくたびに、『うん』っていってくれるんだけど
『じゃあまた明日』って言った後・・今日はなんかほっとけなくて
『大丈夫じゃないよね』っていってみたら、『・・・うん。』って。

仕事の後、秋山さんとご飯食べて、自分の部屋に入った後、
何もする気にならなくて、悲しい気分になるんだって。
秋山さんもある程度したら、静岡に帰らないといけないから
そうしたら比呂は一人であの店で仕事をしてくことになる。

『仕事はいいんだー・・。忙しい方が早く時間過ぎるし・・。
だけど、仕事の後・・寝る前の時間が・・なんか・・。』
そういって、また黙っちゃう。

俺・・・『会いたいね・・。』って言った。
そしたら比呂が、『うん。』って。『・・会いたいよ・・・。』って言うんだ。
『俺ら・・毎日おんなじこと言ってるね・・。』って俺が言ったらね・・
比呂がさ・・『俺・・自分がこんなに弱虫だと思わなかった・・。』って
ほんとに悲しそうな声で言うんだ。

比呂が、小沢に弱音はいてるのは知ってた。
でも、弱音っていうか、ノロケ?っていうか・・そういう感じの愚痴みたいな・・。
軽い感じで愚痴りつつ・・のろけつつ・・最近会ってもいないのに
おぎやんの話とかしたりしてんだって・・・。

だけど俺には・・ちゃんと弱虫っ子の声で、つらいよーってすがってくれるね。
『早く会いたい・・。』って比呂はいうと、黙っちゃった。

いとしいなあ。

『比呂・・・ちゃんとご飯食べてる?』
『・・・・・うん。』
『・・・お風呂はいった?』
『・・・・なんで?』
『・・・また髪の毛ぬれたままなんじゃないの?風邪ひくよ・・。』
『・・・・・・・。』
『・・・・比呂・・・。』
『・・じゃあお前がここに来て拭いてくれればいいじゃんっ。』

・・・へへ。

『無理いうなー!連休には行くよ。』
『・・・・長いよ・・・あと何日あんだよー・・・。』
『一ヶ月ちょっとでしょー!!!ガマンしなっ!』
『できないっ。』
『しなさい!』
『できないっ!!!!』
『・・・俺だって・・ガマンしてるんだよ?比呂・・。』
『・・・・・・・。』
『・・・ガマンしようね。』
『・・・・・うん・・・。』

比呂は・・俺と離れて住んでも、へっちゃらな人だとおもってた。
たとえ寂しい気持ちだとしても、絶対弱みは見せないと思ってた。
遠く離れた俺に心配をかけないように、強がるんだろうなって思ってた。

真逆じゃん・・・。どしたのかな〜・・でも俺・・寂しがってもらえてすごくうれしいし、
俺のことちゃんと好きでいてくれてんだなーって・・ぽわっと安心。
俺と離れた途端にダメダメな比呂が、この距離を沢山のハートで満たしてくれる。

会いたいな〜・・・・。会って抱きしめあいたい。比呂に抱きしめられたら、泣きそう。俺。
実際、こうやって想像するだけで、涙出るもん。比呂に会えなくて悲しい・・・。

2009/03/26(木) 23:12:52
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