『俺の彼氏は甘やかし上手。』2007/12/4 (Tue.) 22:22:26


比呂と図書館でテスト勉強。
俺んち学校は、専門教科はすげえレベル高くて、大変なんだ。まじで。

比呂は専門教科は学年一番。いっつも満点とっている。
機械関係が好きなんだって。教科書読むのが楽しくて仕方ないくらい。
俺に勉強教えながら、まだ習ってないとこの専門用語について調べてノートをとる比呂。

そんな比呂を見ると、かっこいいなって思う。男の子ってかんじでさ。
就職や進学の為じゃなくって、本当に興味を持って学ぶ・・
そういうものをもっていることが、すごいなあって思うんだよ。

ぼんやりとしていたら、席を立って機械工学の専門書を探してた比呂が、俺の方を無言でじっとみる。

俺は首を傾げて、どうしたのかなーって比呂を見つめ返した。『飽きた?』一言、比呂の声。
『ううん。でもちょっと腹減った。』俺の声。2人して携帯の時計を見る。16時45分。

比呂は手に持っていた専門書を本棚にしまおうとした・・・
その動作の途中で、また俺を見る。『那央。』っていわれて、俺はきょとんとする。

『お前・・チャーハン好き?』ってきかれたから、すげえ勢いで頷く俺。
そしたら比呂が、愛想無く『・・・作ってやろうか?』っていうんだ。

本をしまい。勉強道具を片付け、図書館を出て駐輪場に行き
自転車の鍵を開けながら、俺は比呂のほうをみる。

『・・・作れるの?』
『・・・チャーハンくらい作れるよ。』
『・・・・・。』
『俺の卵チャーハンの味を忘れたか。』
『あれはうまかったけど。』
『・・・・』
『ネギもロクに切れないくせに。』
『ネギを使わなきゃいいじゃん。な。』

なんか普通に麦とかと喋ってるような口調で、比呂が話す。
あはは、なつかしい。こういう感じ。なんか新鮮。

『具はなに入れんの?』
『シラスの乾いてるやつとー・・梅干。』
『なにそれチリメンジャコ?』
『そう。』
『あとあれもあるぜ。青じそ。』
『わー。』
『白ゴマもあるし。』
『わー。』

自転車にまたがった比呂は、マフラーをして
俺のほうをみる。

『今日。帰りにスーパー行ってさ。色々買ったんだ。昨夜遅くにおばちゃんから電話きて、ぶち怒られてさー。』
『なんで?』
『野菜を食えって、梅ぼしとかも・・そういうのをめんどくさがらずにちゃんと食えって、怒られて』
『あはは。』
『で、前にテレビのなんちゃらかんちゃらで梅干のチャーハンとかやっててうまそうだなーと思ったから・・。』
『・・・・・へえー。』

一人スーパーか。いいな。隣に並んで歩きたかったな。俺も自転車にまたがる。
『じゃ、俺んちでいいね。』比呂の声に俺はまたにっこりうなずく。

比呂のちゃーはん、たのしみだなー。
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