ラブラブー

あー・・・。今日はラブホへはいけませんでした。
なんつーか、小沢の彼女と、俺ら2人でWデート・・・してしまったっ。

テスト終わってすぐに、小沢が俺のとこ来て、
『彼女が、2人に会いたがってるから。』とかいうもんでさー
俺も比呂も半分パニック(爆笑)になりつつ、結局了承して
2時に駅前で待ち合わせして、隣町までイルミネーションみにいったんだ。

隣町の駅前にさ、ちょっとしたビルみたいのが出来て、
カフェとかショップとかが、いっぱい入ってねー。
そこで2時間ぐらい、ぷらっぷらしてウィンドーショッピング的な
感じで歩いてたんだけど、小沢と彼女がさ・・腕組んで歩いてるのね。
すっかりお似合いのカップルなのね。

うらやましかったな・・・。なんか。

俺等は男同士だし、隣町だと、知り合いに出くわすし・・
いちゃこけねえの、やっぱ。それがすごく悲しかった。
微妙にセンチメンタルはいってたら、比呂が肩を組んできてくれて
ゲラゲラ笑いながら話してくれるの。

周囲の女子高生に『かわいー』とか言われちゃった、きゃ。
友達同士でじゃれあってると思ったんだろうね。僕等恋人なんですけど。

で、外が暗くなったからイルミネーションみようとかいって、
外でたら、そのビルがすっげえクリスマスって感じにライトアップされてて、
周りの銀杏並木とかも、めちゃくちゃイルミネーションきらきらしててさ・・・
俺ら四人、少し離れたとこにある公園のジャングルジムに座って
じっとそれを見ていたんだ。

寒かったからか周りに人はいなくてね。
そしたらさ、隣に小沢んちがいるのに、比呂が俺の肩を抱いてくれて
頭をなでてくれんの。小沢が見てるのに。

で、キスしてくれたんだ、比呂。びっくりした。小沢が見てる前でね。
そういう事を一番しなそうな比呂がしてくれたことが・・うれしかった。
すごくうれしかったんだ。

そのあと、比呂の胸に抱かれて小沢を見たら
小沢も彼女にキスしてた。・・・・・・なんか・・すげえ不思議な気分で、
夕飯食うことになって、カフェに入ったら、なんかやっぱ、変にてれちゃうのね。

『みせつけやがって。』『お前らが先にキスしたんだろー。』みたいなやりとりを
俺と小沢でしてたら、比呂の携帯が鳴ってさ・・比呂が俺に
『適当にたのんどいて。』っていって、店の外に出ちゃったんだ。

チキンタツタプレートにコーヒーつけて比呂の分を頼んでおいた俺。
小沢の彼女に、色々言われたよ。うれしいことばっかね。

『潤也からいつも、2人の事をきいてる、本当に仲がいいのね。』
とかも言われちゃったよ。彼女さんは小沢の事、潤也って呼んでるんだ・・・。
明日から思い切りひやかしてやろーっと。
俺らの話聞きながら小沢が、すごく幸せそうに、にたにた笑ってた。

ちょっとしたら比呂がもどってきて、小沢の彼女に軽くお辞儀する。
『すみません・・家から電話で・・・。』
って言った後、俺を見て
『おじちゃん、スロ打ちにいって5万もスったらしい・・。あほだよな。』
っていってわらった。だから俺も笑って比呂に言う
『ほんとあほだよな。かわいいあほだ。』

飯食って、帰りの電車。4人がけの席に座って話をする。一駅だけど、結構話せた。
小沢カップルにとって、俺等は理想の恋人像なんだってさ。
それを聞いて比呂が、俺を見て笑う。俺も笑い返す。・・すごい幸せ。

いつもの・・友達と遊びに行くときの比呂とは全然ちがうんだもん・・・。
小沢の前での恋人扱いが、すっごい嬉しいよ〜!!!

光が丘駅で解散して、あいつらはどこかに消えていった・・・(あやしい・・
俺らもどこかに消えようと思ったけど、今度は俺の携帯に電話かかってきて
年賀状印刷を早くやってくれって、母親がわめいてどうしようもなくて

だから・・結局・・帰ることになった・・・。


『ごめんね?』
『なにが?』
『・・・こんなクライマックス・・・。』
『あははっ。なにがだよ。』
『あのクソババア・・・わざと上下逆に印刷してやる・・。』
『・・・どんだけささやかな抵抗なんだよ』
『そうだよっ。・・俺は比呂とラブホいきたかったのに〜・・・。』
『・・・・・。』
『・・・・駄目?こんな俺。』
『・・・ううん・・・。そんなことないよ。』

頭弱そうな会話にも、ちゃんと付き合ってくれる比呂。
暗がりで俺の手をぎゅっとにぎってくれた。

『俺も、那央としたかったな・・・。最近駄目だー。ガマンができない。』
『・・・・・・。』
『脱がして触って抱き合いたい。もー一日中ヤってたいともおもう。』
『・・・・・・・・比呂・・・。』
『・・・明日、おじちゃん山梨にいくんだって。』
『・・・・・え?』
『だから・・・また、時間あるときに泊まりに来いよ。』
『・・・・・・。』


曲がり角。人気のない道。高い塀。夜には誰もいないような会社の倉庫の脇。
自転車を塀に立てかけて、比呂に手を引かれる。暗がりに連れて行かれる。
壁に押し付けられて、キスをされた。それだけで俺は腰が抜けたようになってしまった。

抱きしめあった。でも、今日はその先はなにもしない。
それがすごく比呂らしかった・・。
Wデート・・最高だったー。

あーあ。俺ら、らっぶらぶ!!!


2007/12/12(水) 23:46:21
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