星でも太陽でも月でもなく

ただいま。かえってきた。
この頃、比呂と別れたあとのこの物悲しい気持ちに耐えられない自分がいる。ちぇ。
帰ってすぐに部屋にいって、エルレ聴くんだ。この頃ね。
比呂にちょっと声が似てるんだよね。あの人の歌声と、比呂の話し声が。

んと・・・。
ラブホで、泣き寝入りした比呂は、俺が寝てる間に起きたみたくて
俺が起きたら、ぼんやりとベッドの上で考え事をしていた。

『どうしたの?』
広いベッドの上、寝相わるかったのか、少しだけ体が離れてしまったから
ずりずりと比呂のそばにいって、ちゅっとした。

ゆっくりと比呂が視線を合わせる。
すげえ低いかすれ声で『・・なんかした?俺が寝てる間に。』
そういわれて、超ドッキーーーーーーっとした。

『別に・・?』言いながら目が泳ぐ。
比呂が寝てる間に俺、いろいろな事をしちゃった。
エッチな悪戯もしちゃったし・・・・・・。なんか、ばれたのかなあ。

俺がキョドってたら比呂は、ふふんと笑って、それだけ。んで、俺のくちびるを、ペロッて舐める。
で、俺のをさ・・ぎゅっと握ったんだ。わあっ・・・。

俺、比呂が寝てる間に、一人エッチしちゃったの。
寝顔がとてもかわいかったから、見ながらしてたら、顔射しちゃって。

一回出してたから、敏感になってて、触れられただけで腰がビクンとうごく。
そしたら比呂が、俺の首を、かぷって噛むの。んで、舌を這わせる。
俺は負けじと比呂のつむじにキスして、『ちゅ・・して・・』っていって、比呂に抱きついた。
体を刺激されたら俺、挿れられる前に、すぐいっちゃう。

『うん。いいよ。』ちゃんと返事をしてくれた後、比呂はついばむようなキスを繰り返す。
ちゅ・・ちゅ・・・っていうキスの途中で、見詰め合って微笑みあって
何度も繰り返して満ち溢れて、そしたらやっぱ、体が比呂を欲しい。

キスはもういい。これ以上されちゃったら、俺、泣いちゃう。
だから、比呂の首筋に顔を埋めて、黙った。乱れきった呼吸を整えながら。

比呂が俺の背中をさすって、挿れないまんま、俺をゆさぶんの。
俺の腰に、自分の腰を押し付けて、いれないまんま、ゆさぶんの。
はいってないのに、超きもちよくって、あーどうしようっておもってたら、
勝手に俺の両手が比呂のそれをさ・・自分に挿れようとすんのね。

だって、ここだよ。比呂と俺がつながれるところは。
つながりたいもん。ラブホだし、声気にしないで喘ぎまくりたい。

でも、上手にできなくて・・ちょっとはいっても、奥までいれていけないのね。
俺、朦朧とした目で比呂を見た。比呂も俺をみて、そしてお互いに目を閉じた。

ベッドが、すっげえギイギイ鳴る。俺の喘ぎはむしろ叫びに近かった。
怖い。どうにかなる。心から思ったから、比呂にぎゅっとしがみついた。
そしたら比呂が俺の両足を、自分の肩に乗せて、すごい深く挿れてくる。
俺の耳の横に、両手をついて、比呂が挿出を繰り返すんだ。

夢でもみてるような、気持ちよさそうなかわいい顔で。

やだやだ。目を閉じたりしないで、俺を見て。
俺は比呂の頬を両手で包んで、顔を上げて無理気味にキスをする。

比呂の男らしい両腕が好き。俺を揺さぶるたびに目の前で
チェーンにつながれたリングが揺れる。

『あっ・・あっ・・・あっ・・。』って、俺の口から勝手に声が洩れて
あとはいつもみたく、ヤダヤダって、比呂の下でもがいているうちに
意識がとおくなっていって、比呂の腹筋に精液をぶちまけちゃうんだ。


・・・・はやすぎる・・俺・・・。


した後、一緒に風呂に入って、体を洗って、ベッドに戻って、
比呂の腕枕に、頭乗っけて、比呂の体に触れながら・・相談したんだ。

『比呂・・・・。』
『なに?』
『俺、早漏すぎて・・ごめんね。』
『は?なに?』
『だから・・早漏すぎてごめんね?』

『・・いきなり何言い出すの、お前。』


『だって、いつも俺、早すぎるんだもん。』
『・・・・・・。』
『・・・・・・。』
『や・・でも別に・・・いいんじゃねえの?』
『え?』
『・・・なんていっていいのかわかんねーけど・・・。』
『う・・・ん・・・・。』

比呂は何故か、精一杯考えましたーみたいな表情をしたあと
俺にいったんだよ。きっぱり。


『俺が早くなきゃ、いいんじゃねえのかなっ。』




・・・・・・。

満たされた気持ちになれるんだったら、それで俺たちはいいんじゃないかと・・
気持ちがよくって、すぐにイけるんなら、それは、それで、俺はうれしいよって。

・・・あたま、撫でてもらってしまった・・・・。
幸せだー。しあわせ村のゆきむらです。どうもありがとうございます。

『比呂。比呂は真面目にシモネタはなしてても、かっこいいね。』
っていって、胸板にぎゅと抱きついたら、
『今の会話をシモネタ扱いすんな〜!!!』
っていって、ぽこられた。で、撫でられた。いつもパターンだー。

服着てー、ラブホでてー外が寒くてさ。
でも、夕飯はお互い、家に帰って食おうってことにして。

じゃあなーと言い合って、笑顔で別れたよ。で、家に帰るとやっぱ寂しい。


俺、今日の比呂の姿を見て、家族について色々思ったし、大事だと思った。
そんでやっぱ、比呂と家族になれたらいいなーとおもった。
兄弟関係じゃなくて・・・この恋愛の延長線上で家族になれたらいいなーとおもった。

比呂は俺の一番だもん。俺の心を照らしてくれる光。
裸の俺を隅々まで照らしてくれて、認めてくれて自信を持たせてくれるんだ。
一番好きな人に認めてもらえて、うれしいもんね。
ほんとに、うれしいんだよね。なんでだろう。

たかだか言葉。それだけなのにね。

さっき電話したら、電話の向こうでサヤ君の泣き声が聞こえて
おばちゃんがサヤ君をあやす声が聞こえて

比呂の家が、とても賑やかなのが、すごくすごく嬉しかった。


頑張れ比呂。きっと辛いと思う。
俺が思うよりよっぽどさ・・単純に幸せを受け入れられない自分がいると思うの。
でもね、楽してもいいんだよ。もっともっと、楽に考えてもいいんだよ。

それでも比呂は、自分にとって、苦しい道をいつも選ぶんだろうけどでも俺は、ついていくからね。
お前と歩く道が、そんな道かなんて関係ない。お前と歩いていくことが、大事なことなんだからさ。




おやすみ




2008/01/08(火) 00:11:49
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