溜息無限リピート

兄ちゃんのDSをかっぱらって、帰りに買って来たどうぶつの森で遊んでいる。
キャラを『ひろ』にして、アルバイトをしたり、木の実を拾ったりしていたら、
なんだかすごく悲しくなって、あのぬくもりが恋しくてたまらなくなった。

塾の女の子に会って、もう一度ちゃんと話をした。
俺がまた変な気を起こさないように・・カフェにいって話をした。
明るいところで、めがねを外したその子を見るのは初めてで
すごく綺麗なかわいい子だった。ずっと俺を好きでいてくれたんだって。

そういう子に、俺、最低な事をしてしまった。
でも彼女は『あやまらなくてもいいよ』っていうんだ。

俺に・・されたことが・・たとえ・・俺の気まぐれだったとしても
してもらえた事実が、すごく嬉しいことで・・
告白して本当に良かったって・・・言ってくれたんだ・・よ。

『生まれ変わったら、付き合ってくれますかって・・私が言ったら・・
幸村くん・・いいよって言ってくれたから・・
それだけでもすごく嬉しかったです。どうもありがとう。』

・・俺は、罪悪感でいっぱいになった。
彼女にそれをいったとき、俺たちはベンチの上で
ああいうことをしてた時で・・・彼女の体が柔らかくて・・
なんかスゲエ・・気持ちよくて・・・ノリで言っちゃっただけっていうか・・

俺・・マジで、最低男だな・・。

生まれ変わっても、なにしても、比呂といたい。比呂が大好きなんだ・・。
彼女と付き合ったら、きっと違った幸せがあると思うんだけど、それでも俺・・
比呂が好きなんだ。

だって・・・理由なんかいらないくらい・・ひたすらそばにいたいし・・
今すぐに甘えたいし・・目を閉じると、比呂の顔が浮かぶ。
最低な理由で落ち込んでる俺が、比呂に頼りたくて、
すがって抱きしめて欲しくて・・心の底から会いたがってんだ。

ほんとにいつも支えてもらってた。

比呂は、保健室には来なかった。
代わりに小沢が俺の荷物をもってきてくれた。
『ノートは紺野がとってくれたよ。』っていうから、ぺらぺらとみたけど
きっちり丁寧に文字と公式が並んでるだけで

坂口の似顔絵も、麦バッシングも・・
俺へのキュートな一言も・・余白には何も書かれてなかった。

空白を埋めるものがなくなった俺は・・・ただただ後悔ばかりしている。
いつも俺の空白の時間は、比呂への愛で埋め尽くされていたから。

溜息ついたって・・・どうしようもない。
そう思って、比呂にノートのお礼のメールをしたら
少しして返事が返ってきて

<あんま無理するなよ。おやすみ。

それだけだった。

比呂のバイト明けの時間みはからって、窓の外を見てたけど
比呂は通りかからなかったし・・それを少しでも期待していた
自分の都合のよさに、吐き気がした。


でもごめん。それでも俺・・比呂が大好きだ。
誰にも信じてもらえないかもしれないけど・・
比呂が好きで・・たまんないんだ。

やっぱり考えちゃうよ。どうしてももう一度、やり直したい。
こんな最低な終わり方で、あの大事な日々を駄目にしたくないよ。

2008/02/21(木) 23:11:18
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