反省 学校が半日だった・・何で最近こんなに半日がおおいんだろう・・。 喧嘩してると約束できないから、学校が半日だとゆっくり比呂をみれないじゃん・・。 体育館を午後から行事でつかうみたくって、部活ないけど比呂は誘ってくれず だから俺、2組に行って麦の背中をぽんぽん叩いたんだ。 『なに?』『・・・一緒にかえろうよ。』 『・・・・比呂は?』『・・喧嘩した。』 麦は、ハハっと笑って自分の帰り支度をする。 『なら仲直りしな〜。俺は坂口メー子と飯食いにいくし。』 『・・・だったら俺も、ごはん一緒に食べに行く。』 麦は俺の方をふりかえっていった。『そんなにこじれてんのか?また? 』 『なーーんでピンケストがくんの!』 『なんか比呂と喧嘩したんだって。』 『・・・・・』 『どーせあんたが悪いんでしょ!さっさと「ごめんね」言ってきなっ!』 『・・・ごめんじゃすまないみたいだよ。』 『・・・・・俺もご飯食べにいきた・・い・・。』 なんか、坂口にド図星つかれて、泣けてきた。麦も坂口もギョっとする。 そしたら坂口が、俺をだきしめて『じゃ、三人でいこう。ね!ね!』といってくれた。 本当は2人で吉牛にいって、どっちが牛丼多く食えるか対決する予定だったみたいなんだけど 俺がいるから気づかっておしゃれなカフェにつれてってくれた。そこに比呂がいないのがすごく悲しくて、ぼろぼろ泣ける。 テーブルの向こうに坂口と麦。・・・なんか面接でも受けてる気分だ。 『・・で、比呂となにしたの?』 『・・・・・ゆっきーちゃん。』 『・・・・実は昨日、俺、小沢に色々はなしたんだ。』 『・・・・・。』 『なにを?』 『・・・比呂とのエッチのこと。』 『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。』 『・・・や・・ヤってんの?あんたたち!』 『・・やってるに決まってんじゃん・・。しらなかったの? 』 『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。』 『や・・いや・・そんなの考えたこともなかったから・・。比呂もいわないし。』 『・・・そう・・。でもしてんの。それを小沢に話したことを、比呂が怒って。』 『・・・・・・・・・・・・・・。』 『・・・・・・・・そら怒るわな。』 頼んでた飯がきて、それぞれフォークなり箸をもつ。俺は菜の花の味噌汁のんで、ふうって溜息をついた。 『前から小沢には、色々きいてもらってたのね。比呂がうますぎて・・俺、すぐイっちゃうから・・体おかしいのかなーとか。』 『『・・・・・・・・・・・・・』』 『・・で、こないだ仲直りしてから・・久々にエッチしたんだけどさ。』 『・・・。』 『え?なに?なかなおりって。あんたら喧嘩でもしてたの?』 事情を知らないような坂口。麦がいった。『こいつら喧嘩別れしてたんだ。つい最近仲直りしたけど。』 聞いてねーしーと、坂口がむくれる。俺は話を続けた。 『で、仲直りのエッチがさ・・すっげーなんか・・感慨深くって・・ 優しいし・・すごいなんかあれで・・それを小沢にきいてもらったんだ。』 『・・きいてもらったって・・お前、何を話したの?』 『うんうん。』 『だから・・比呂にしてもらったこと・・。体位とかー・・ふぇ・・』 『もういい。わかった。もういい。』 ふぇら・・って言おうとしたら、麦にスパッととめられた。麦の隣で坂口が、ボー然とした顔でおれをみていた。 『・・で、あいつがそれを怒ったと。』 『・・・・ 』 『・・・うん・・・・。』 『・・・・・そうかー・・・それで、喧嘩になったんだな。』 『・・・・』 『・・・・うん。』 沈黙。また悲しくなる。そしたら坂口が、俺にいった。『ゆっきー・・、それは比呂じゃなくても、怒るかも。』 麦は、自分のご飯を食べだして黙る。俺と坂口の会話が続いた。 『え・・なんで?』 『だって・・そんなの男友達にばらされたら、嫌だぜ?やっぱ。』 『ばらしたわけじゃないよ・・。隠しとく理由も無いし・・・。 』 『でも俺は、あいつからそういう類の話しをきいたことはないよ。』 『・・・・それは・・比呂にとって俺とやることが、どーでもいいことだからじゃないの・・? 』 そしたら麦が、溜息をついた。そして、箸を置き、頬杖をつく。 『どーでもいいことなわけないだろ・・。あいつがどれだけお前を大事にしてるのか いい加減・・ちゃんと考えろよ・・・。理由も無く怒るようなバカじゃないよ。あいつは。』 『・・・・・でも・・。』 『・・・お前はあいつとの恋愛に、浮かれすぎてんだよ。 それは悪い事じゃないけどさ・・でも、ちゃんと比呂のこと考えてやれよ。』 『・・・・・。』 『やっぱ結局男同士なんだよ?おまえんちは。わかるだろ? 』 『うん。』 『あいつが一生懸命関係を守ろうと、気を使ってがんばってるのに気づけないのか? 』 『・・・・・・・・。』 『そういう話が漏れて、そういうことをしているんだって、 みんながそういう目でお前らをみたらどうなるかわかんのか?洒落になんないよ? そういう噂はあっという間に広がるだろ。家族にも迷惑が行くよ? 』 『・・・・ただ恋愛をしてるだけだよ・・・。 』 『ああそうだね。でも現実はそんなに甘くない。真実なんか簡単に捻じ曲げられてくんだ。 どっかから話が広まったら、もう俺たちには何も出来ないんだよ。』 『・・・・・・。』 俺と麦が黙ったら・・坂口が言った。 『俺・・前に比呂に・・ユッキーとヤってんの?って、ふざけて聞いたことがあるんだ。 最初にきいたときは、ニヤって笑ってそれだけだったけど・・・次にきいたときは、ヤってないって、言い切られた。 キスとかしたの〜?ってきいた時も、してないっていってたよ・・。』 『・・・・・・・。』 俺は悲しくなった。 『みんなに・・そういうことが・・ばれたらいやなのかな・・俺とそういうことしてるって・・ばれたら比呂・・ はずかしいのかな・・・本気の愛なら、恥ずかしいなんて・・思わないはずじゃん・・・ 嘘ついてまで・・隠そうとするなんて・・比呂は俺の事・・・遊びなのかな・・』 麦がむっとした顔をしたのがわかった。 『・・・マイナス思考も度が過ぎると、本気で人を傷つけるぞ。お前、どうせ知らないだろうから言うけど、お前が浮気した後 あいつ、ストレス性胃炎になったんだよ。胃潰瘍の一歩手前で吐血したんだよ。知ってんの?それ。』 『・・・・・・・』 『・・俺も知らないよ・・・比呂しんじゃうの? 』 坂口がハンベソをかきだした。 麦が、ふーっと大きく息を吐いて、そのあともう一回溜息をついた。 『死なない。死なないけど、死ななきゃいいってもんじゃないだろ。吐血は俺も本人からはきいてない。 母ちゃんにおしえてもらったんだ。勝手にな。だから俺が知ってることは、あいつは知らないよ。』 『・・・・・。』 『胃が痛かったことは知ってる。でも、それ以上の事あいつは言わない。 お前にも言ってないことだから、きっと俺にも言わないんだろう。 そんなとこにまで神経使わなきゃいけないなんて、おかしくねえの?』 『・・・・。』 坂口が間に入った。『麦ちゃん・・もうちょっと・・言い方やさしく・・・。』 麦が坂口を見た。坂口が泣きそうな顔で麦を見る。 『わりぃ・・・。』麦は坂口に謝って、そのあと俺のほうを見た。 『・・なあ・・ユッキー・・。』 『・・・・・。』 『・・・あいつは、こないだお前らが別れてたとき、俺以外の誰にも言わなかったんだ。 俺が知ってたのだって、お前が色々いってきて、事情を知ってたからじゃんね。』 『うん。』 『・・そういうことを、誰にも言わないで、一人で抱えていくってキツいことだよ。 誰にも励ましてもらえない。苦しくても泣き言いえない。 でもあいつは、徹底してた。お前の事を本当に大事に思ってたからじゃん。』 『・・・・・。』 『あいつは街中の噂の対象になる苦しみを知ってる。 そういうのを知ってるからこその、あいつなりのお前への思いやりだと思うんだ。』 『・・どういういみ?』 麦のいうことが、難しすぎて理解できない・・。 『・・・お前がそういう目で見られるのが嫌だってことさ。』 『・・そんなの俺は平気だよ。』 『・・・でもそれによって、家族に迷惑がかかったら?』 『・・・・・。』 『収まってきたあいつたちの家族への好奇心の目が復活しちゃったら?』 『・・・・・・。』 俺が、なにかに気づきかけていたら、麦が強い口調で俺にいった。 『本当は、お前の方が・・あいつを気づかってやらなきゃいけないんじゃないの?』 何とか飯をくって、俺等は店を出た。他の客がいなかったから、話は誰にもきかれてなかったと思う。 だけど・・それでも麦は話の途中から比呂の名前を出さずに話してた。 俺にはそんな気持ちの余裕なんかない・・・全然悪気はなかったんだもん。 店の駐輪場で坂口が『でも、話したのが小沢ちゃんでよかったよね〜。』という。 麦も『あー・・ほんとそうだよなー。小沢でよかったよ。』といった。 しょぼくれる俺。そんな俺を見て、麦がわらってくれた。 『でも、隠すことばっかで不安になってるお前の気持ちもよくわかるよ。つらかったんだよな。』 ・・・俺、麦にだきついて、わんわん泣いた。坂口が頭を撫でてくれて・・すごくすごく救われた気がした。 家に帰ってきて、ぼーっと考えてたんだけど俺やっぱ・・比呂に謝ろうって思う。 麦にいわれた事、坂口に言われたこと。何より比呂にいわれた事。 その言葉だけじゃなくって・・その裏側にある気持ちとか そういうのを考えたら・・やっぱ俺が悪かった気がする。 今日は比呂はバイト6時までだから、電話して謝りにいこうとおもう。 謝って・・仲直りして、小沢や麦や坂口に <仲直りしたよ!ありがとう って、メールを今日中におくるんだ! 2008/03/11(火) 14:48:11 |
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