ただいま世界 部活→バイト→口げんか→仲直り→帰宅 愛のあふれる一日でした。 比呂と口喧嘩した。・・っていってもー、別れる別れないの喧嘩じゃなくって 人参の件で喧嘩した。だって比呂があまりににんじん嫌いすぎるからっ バイト後に夕飯買いにいってーそのときに加瀬から電話が来たのね。比呂に。 ちょうど飯買って比呂んちに行くとこだったの。 おじちゃんちが連休利用して山梨に行ってるとかいうから。 帰り道でさー、自転車押しながら比呂がずっと加瀬としゃべってんの。 ずーっと人参の悪口なの。どうなのそれっ。比呂はもうすぐ18歳なんだよ? 『甘いような苦いような味がムリ。』とか『葉っぱが貧弱すぎてかわいそうだ』とか 『あのオレンジ色は、きっと警告色』とか、すげえ馬鹿すぎてしょうがないから、比呂の家についてから叱ったの。 『人参をなんだと思ってんの?』って。『人参だって生きてるんだよ?』って。 そしたら比呂がむくれちゃって。 『那央は俺の味方だと思ってたのに。』とか『俺だって好きで人参嫌いになったんじゃない。』とか 『どうしようもないことだったんだ』とか、もー!いったいなんなの!! 買った飯をお互い背中合わせで座って、プンプンしながら食ったんだ。 もー、何でこんなバカみたいな理由で喧嘩しねえといけないの?とか思いながら 俺、パスタをうどんのようにすすって食ってたんだけど やっぱなんか・・・この時間の無駄づかいっぷりが滑稽すぎて 今までの比呂ちゃんの頑張りに感謝の意味をこめてですね 今日は俺から折れてあげたんだ。 『ごめんね?人参嫌いでも比呂が好きだよ?』ってね。 そんな仲直りの仕方ってある?(泣)でも比呂はそれで、超ごきげん。 『うん。ごめんな。俺、にんじん大嫌いで。』とかいっちゃって どこまで本気でいってんのか、さっぱりわからない紺野比呂でした。 で、仲直りして、飯も食い終わったしーってことで エッチ・・・は時間がないから却下で、2人で手をつなぎながら話をした。 比呂が浅井の話をして、それを俺が頷きながら笑って聞いた。 部活とバイトで疲れちゃたから、そのあとはキスと抱っこで疲れを癒す。 そのときにね。 比呂が俺の手首をみていうの。 『那央はー・・痩せたねー。』って。『俺のせい?』っていうのね。 さよならの時間が近づくと、ちゃんとこうやって不安定になってくれるね。 俺は比呂の方に頭預けて『違うよ。幸せだもん。』 そういって、比呂の手をぎゅっと握る。比呂がもっと強い力で握り返してくる。 あーもう、それだけで涙が出たよ。 もっともっと大人になっても、こんな風に手をつなげるような恋人でありたいと思う。 ただ、愛しさをかみ締めるために、手をつないで座って寄り添い合う時間を 大事に出来る俺達であれたらいいなーって・・・すごく思った。 時間や用事に押し流されないで、2人で一緒に立ち止まって ただ互いを思いあう。 ただ互いの事だけを想う。 明日は学校だ。ゆっくり会えるのは結局週末。 でも、特別な用事が出来なければ比呂の家に泊まりでデートできる。 それまでのガマンだね。俺達。 クラスはなれたのは寂しいけど、やっぱり離れた分比呂の全部が見えた。 離れていても俺達はちゃんと、赤い糸でしっかり結ばれている。 見えないその糸を信じるまでに、随分時間がかかったけど 疑り深い俺でも今は、はっきりその糸を実感できる。 だって俺が立ち止まると、比呂も止まる。 心が迷子になった時も、糸の端から手繰り寄せてくれる。 どん底に落ちそうになっても、しっかり比呂が引っ張りあげてくれる。 指に結んだ糸は死ぬまでほどけない。 きっと綺麗な赤色をしているんだろうなあ。 2008/04/29(火) 22:01:52 |
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