ただいま。比呂と抱き合ってきた。

今日はー・・朝から2時間部活があって、そのあと比呂は用事があって
午後からは比呂がバイトで、俺は5時から7時まで塾で。
塾に比呂が迎えにきてくれて、そのあとラブホ直行。
2時間だけだったけど、すげえうれしかった。ほんとにうれしかったんだ。

部屋に入ってすぐに、ベッドに押し倒された。
風呂はいってからじゃないと嫌だって言ったのに、キスされて俺は、なしくずしになる。
『はずかしいよっ。』って言ったら、部屋の電気を枕元にあったリモコンで消して
そのリモコンをぶん投げる。比呂の息遣いが荒くて俺は興奮をした。

それでも比呂なりに気遣ってくれたのか、挿れるとかそういうのはナシで
手で追い詰めあって吐精をした。

射精後の甘だるい感覚。俺の両目はとっくに暗闇に慣れていて
俺の隣でくたっとしている比呂の汗ばんだ頬をそっと撫でた。
比呂は閉じていた目を少し開けて、『風呂だよね・・ごめん。 』っていった。

先に俺が風呂に入った。湯船につかってキスを思い出す。
今日いったラブホのシャンプーが、すごくいい匂いでうれしくて
三回も髪を洗ってしまった。

風呂を出たら比呂がエロビデオみてんの。
真っ暗ではないけど、それでも薄暗い部屋のなかで
ベッドにうつぶせで寝転んで、ぼんやりテレビ画面を眺めてる。
『お風呂でたよ。』って俺が声かけたら、比呂は黙って起き上がって、風呂場にいった。

・・・・・・。

なんか不安になって、駄目なことだとおもいつつ、比呂の携帯のチェックをしてしまった。
メールチェックして番号チェックしたんだけど、電話番号も番号だけじゃ相手が誰だか
わかんないから、もっともっと不安になった。

カバンの中身を見ようと思ったけど・・決定的な何かが出て来たら怖いし・・
比呂の携帯を持ったままベッドの上に座り込んでたら、
壁をコツンコツンって叩く音。

振り返ったら、比呂が部屋の入り口で、俺の事をみていた。お互い無言で見つめあう。
俺は比呂の携帯を掲げて『浮気チェックしてました〜!』と言って比呂を見た。
比呂はそんな俺を見てふふってわらうと、『証拠はでたのかよ』といった。

・・・・・へへっ。


比呂がベッドにねっころぶ。腰にタオル。わ、腹筋だ。
俺は比呂の携帯をテーブルに置くと、そのタオルをとって
ちょっとだけふぇらしちゃった。
また歯を当てちゃってごめんね。俺、なかなか上手になれないね。

そのあと比呂とのんびりエッチを満喫した俺は
はあはあ言いながらぐったりと、比呂の腕枕。すごい幸せ。
『・・浮気チェックって定期的にやるもんなの?』って比呂に聞かれたから
『そうだよ。』っていって、比呂の胸板に俺は抱きついて目を閉じる。
比呂はそんな俺を、ぎゅーっとだきしめたんだ。

比呂は浮気なんかしない。そんなのもうわかってるよ。
もし比呂が俺以外の誰かと何かするならそれは、俺への恋心が終わったときだ。
そんなの絶対こないさ。だから浮気もないし別れもナイし、なんもないさ!
比呂と俺は一生仲良しで、ずっと一緒に歳とってくんだ。
こうやって、ずっと比呂が、俺を守ってくれるんだ。

・・・って、すごく幸せなことなのに涙でんだよ。

疑り深い俺からついに、疑る理由を消し去った比呂。
素っ気無い素振りをたまにされても、浮気とかおもうことはなくって
比呂の体調や心の不調が心配になんの。ほんとに。

無理してねえかな、頑張りすぎてねえかな、ちゃんと寝てるのかな、
食ってんのかなって・・・

俺といる時が一番比呂にとって、安らぐ時間だってわかってるから
離れてる時間はいつも比呂のことが心配になる。
だって愛してんだもん。

『疲れてない?』って聞いたら、『・・・・大丈夫。 』って言って俺の手を握る。
握った手を顔の前に持ってきて、ゆっくりゆっくり指をもてあそぶ比呂。

『那央・・あのさ・・。』って言われたから比呂を見つめた。
比呂はにぎってる手のほうを、じっとみつめたまま。
俺は黙って比呂の言葉の続きを待つ。

そしたらね、比呂の目じりから涙がすうっと落ちたんだ。


うん。



うん。







俺の前で無理しないでくれてありがとう。




2008/06/21(土) 23:18:00
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