比呂が・・。

比呂が・・部活休んで・・約束してたのを断ってきたんだ。
『ごめん・・今日・・ちょっと無理になって・・。』っていう声が、すっごく疲れてて・・
心配で・・何も手につかなくて・・・それで・・家でずっと歌聴いてて・・
日記を書こうかなっておもったら・・さっき比呂から電話があった。

『もしもし?』って電話にでたらね、ぐすって・・泣いてるような声が聞こえるんだ。
着メロで相手はわかってるから・・泣いてるのは比呂なんだ。
なんていっていいのかわかんなくて・・・だってすごくさみしそうな泣き方なんだ。
一言も比呂が喋らないんだ・・・。

泣けちゃって喋れないんだ、比呂が。


『・・・比呂・・好き。ごめんね・・。俺・・・。』
『・・・・。』
『・・・・お前を傷つけるようなことを・・して・・ごめんね・・。』
『・・・・・・。』
『・・・・ずっと・・一緒にいて・・・ほしいよ・・。自分勝手で・・ごめんね・・。』
『・・・・。』
『・・・ごめんね・・・比呂・・。大好きだよ・・・。お前だけだよ・・。』
『・・・・・・。』
『・・・・・・・。』
『・・・・・・。』
『・・・・・・。』
『・・・・・那央・・・。』
『・・・比呂ー・・・・・。』


そしたらさ・・・・。比呂が電話の向こうで泣きじゃくるんだ。
そんな風に泣かれることなかったから、びっくりして・・気が動転した。
どうしていいのかわかんなくて、携帯握り締めたまま、俺もひっくひっく言いながら泣く。

そのあと比呂が話してくれた。親戚の人と色々あったこと。
・・それを聞いて俺は悲しかった。悲しかったし悔しかった。
比呂がそんなに辛い思いしてるときに、俺は浮気相手の女とあって
飯食ったりしてたんだ。

・・最低な自分に吐き気がしてきた。
こたえた・・・消えたい気分だった。

だけどね・・比呂が謝るんだ。
『黙ってて・・・ごめん。』って俺に言うの。
『・・・どこで区切っていいかわかんなくて・・・全部話しちゃって・・・ごめん・・』って。
『俺・・どうしていいか・・もう・・わかんなくて・・・那央・・俺を・・たすけて・・。』って。

そんなこと言って、比呂が泣くの。泣くんだよ。電話の向こうで比呂が。
俺は比呂がされたことを聞いて悲しかったけど・・
話してもらえたことと、すがってもらえたことが・・

すごく・・すごく・・うれしかったんだ。

俺はいつも比呂にしてもらってばっかで、たまには頼りにされたけど
いつも負い目に感じてた。俺、なにもできねえなーって・・・。
でも、非力な俺に比呂は頼ってくれた。
今度の苦しみはとてつもなく大きいけど・・・でもね、俺に頼ってくれたの。

俺のことが・・大好きなんだって・・・。


2008/06/30(月) 23:07:52
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