
2006/5/4 (Thurs.) 09:03:08
昨夜は比呂が俺の部屋に泊まって、同じベッドで眠りについた。
すくすく育った男子二名で寝るのに、ひとつのベッドは若干狭い。
どさくさにまぎれて、比呂に抱きついて眠る。呼吸困難で死にそうだったよ。
夜中の二時頃、ふと目がさめたら、俺は比呂に抱きしめられるような格好で寝ていたことに気がつく。
大好きな比呂の長いまつげが目の前に・・。それに気づいちゃったら、どうにも寝られない。
好きになってしまった友人に抱きしめられ、俺はヤリたい衝動にかられ、比呂の服に手を滑り込ませた。
背骨をすうっと指で辿った。やばい・・。どうしよう・・。したことないのに、先に進みたい。
手を比呂の胸元に移動させる。腹筋とかがすげえ男っぽい。
こないだの体育を思い出した。けんすいしてるときの比呂の二の腕。
見た目細いのに、筋肉とかちゃんとしてて、俺は滑り込ませた手を服から出して
今度は二の腕にそっと触れた。ひじの骨。手首。指先。手のひら。
そのとき思った。・・・・俺、比呂に体中を触られたいって。
・・自分のその願いに愕然とした俺は、ベッドを抜け出し台所にいく。
自分の考えが気持ち悪くて、水を飲んでため息を吐いた。熱くなった体は自己処理をした。
部屋に戻ると、比呂がベッドから上半身だけ落ちた形で寝ていた。
そういやこいつ、最近成長期みたくて、寝相がやたら悪いとか言ってた。
だから俺、比呂をベッドに戻して、壁際に寝かせて、
そんで俺もベッドに戻り、床に落ちないように比呂を抱きしめた。
一発抜いたあとで、頭はすっかり冷静だ。
比呂のつむじに顔をうずめる。出会ってまだ一ヶ月。
最初はやなやつかと思ったけど、数時間でこいつの魅力を知った。
一週間もかからないうちに、俺は比呂の優しさに溺れて、
恋愛の息苦しさに気がついたら、もうそこから逃れられない。
結局俺は朝まで寝つけなかった。
6時ごろ、比呂が目を開けた。俺に抱きしめられてる状況に
しばらく比呂はボーゼンとしていた。でもどうやらそれは
単に寝起きが悪かっただけらしく、ちょっとしたら『おはよ』と声をかけてきた。
俺も『おはよ。』と声をかけた。
朝飯買いにコンビニ行こうって言われたけど、俺、また勃っちゃって、布団から出たくない。
『頭いたい・・。』と仮病を使った。比呂は律儀に心配してくれた。
コンビニには比呂がいってくれた。まあでもあいつもそれなりにあれだったんだと思うけど・・。
朝勃ちのことまで、考えてなかったよ。思春期なんか来なきゃいいのにと思った。
比呂がコンビニから帰ってきて、ベッドに腰かけ俺に笑いかける。
『大丈夫かい?幸村。』
俺はそれに頷いたけど、全然大丈夫じゃなかった。全然大丈夫じゃないんだよ。
比呂は『この辺って、いいねー。自然多くて。朝は一番いいね。』という。
気持ちいいからコンビニ行くのに遠回りして走ってきたんだって。
俺も一緒に行けばよかった。小さなことなんか気にしねえで。
だけど、小さいことも、なにもかも、俺にとっては大問題なんだ。
比呂に自分自身がどう見られるのか・・今の俺にはそれが全てだから。