2006/5/4 (Thurs.) 12:54:13
幸村のとこに泊まった。家族みんないないから来てって言われて。
俺は、その時めちゃめちゃ疲れてて、断る体力も気力もなかったから、いいよって言っちゃったんだ。
あいつ、シチューを作ってくれて、それがすっごくおいしくてさ。
ふと目をやると、幸村の指にばんそうこう。
友達のためにそこまでしてくれるなんて、まじでいいやつだなって思ったよ。
朝目が覚めたら幸村が頭痛いとかいうから、朝飯買いにひとりでコンビニにいってみた。
あいつんち近所は森や林が多くて、気持ちいいから普通の格好でジョギングしてきた。
コンビニから帰ると幸村はまだ寝てて、今日はバイトは午前だけで午後は暇だから、
看病でもしてやろうと決めた。シチューのお礼だ。なんとなく。
幸村に『バイトの帰りに昼飯かってくるね。』といい、俺は出かけた。
9−12時の勤務は短時間だけど、開店準備とかで忙しい。
GW中だからか、午前は客もまばらだったので、俺は何とか時間通りにバイトを上がることができた。
帰り支度を始めたとき、前に何度かヤった事がある人からメールが来た。
でかいクモがいて怖いから助けてだって。かわいいよね。俺こういうのに弱い。
幸村の家に行く途中に寄れる場所だから、今から行くってとりあえず伝えた。怖がってるし。
一応心配だったから、幸村に電話を一本入れる。
『知り合いの女の人のとこに寄ってから、お前んちいくけど、昼飯何が食いたい?』
『いいよもう。こなくって。』
そのままブツっと電話を切られた。
・・・・・・・・。
女の人のとこでクモを外に逃がして、そのまま俺は幸村んちに向かった。
昼飯どうするか迷ったから、一緒に買いに行こうと思って。
幸村んちについて呼び鈴を鳴らすと、あっという間に幸村が出た。
すげえ泣いてて目とか真っ赤で、『おかえり』って何度も何度も俺に言うんだ。
・・・・・時々。
幸村見ていると時々ね、こいつ大丈夫かなって思う事がある。
中学の時によっぽどつらい思いをしたんだろうけど、それにしたって
やっぱりなんか・・・普通の友達とは違う。
怖いなって思ったこともある。接し方に悩むことも多い。
悪い子じゃないよ。それは絶対そうなんだけど・・・・・。
『もうきてくれないと思った』っていわれたから、俺は『そんなわけないじゃん』といって笑った。
『何食いたい?』って何度きいても、ぐずぐず泣いて返事をしない。
・・・はあ・・・。
どうしたのかな、幸村。頭いい分、俺に見えない世界まで見えちゃって、不安になるのかな。
こいつは人の3百倍は、世の中に気を使って生きてるし。
・・今日は時間もたくさんある。昨夜の食い物の残りで昼をすませてもいいや。
相手のことがわからなくなったら、話すに限る。これは死んだ父親が教えてくれた。
幸村とちゃんと話してみるよ。俺は玄関をパタンと閉めた。
とりあえず、俺は腹が減った。昨日のシチュー、まだ残ってるかなー。