2006/6/4 (Sun.) 21:31:51

体育祭がおわって、俺らはバイトに直行した。
私服を用意してきたから、店のスタッフルームで着替えをする。
今日は俺も比呂も3時間だけで、そのあと飯食う約束してんだ。

体はくたくたなんだけど、その約束のおかげで元気復活!
仕事も失敗なくこなせた。3時間なんか、あっというまだった。

更衣室で制服に着替える。別に私服のままでもよかったんだけど
なんかつい癖で着替えちゃうんだよね。高校生の不思議なとこだね。

着替えてるときに比呂のバッグから水色のはちまきがおちた。
洗濯して火曜日に返すんだけど、それを見たら今日の思い出がよみがえる。
はちまきを拾い上げた比呂に向かって、『お前、がんばったね。』
と声をかけると、比呂は『うん。』って照れくさそうにいったあとに
『ユッキーもがんばったね。』っていってくれた。

・・・うん。俺も頑張っちゃった。

階段下りて、スタッフの人らに『お先に失礼します』と頭を下げ俺らは駐輪場に向かう。

『特別メニューなにかなー。』
『なにかなー。俺は魚介系がいいな』
『そうかー。俺はやっぱから揚げ系かなー。』
『楽しみだね。』
『そうだね。』
そんなことを話しながら、自転車にまたがって、定食屋にむかう。

疲れてるから、たいした話はできないけど
でもなんかさ・・お互いいい感じのだるさっていうかさ
言葉が続かないときは、お互いに顔見合わせて
『おつかれ。』っていいあったり。

入学当初、俺は比呂と一緒にいるとき、
一生懸命頭使って、話を途切れさせないようにしてた。
それが2ヶ月ほどで、こんなに気を使わず
言葉なくともそばにいられるようになった。

ただ恋の苦しみはヘビー級で、紺野が定食屋のお姉ちゃんに、
『おろしからあげ定食』といってるのをみただけで
胸がずきずき痛むのだ。
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