黒い色を見るだけでときめきハート


鉛筆の芯が黒いだけで、比呂思い出すとか、俺本気で変態か。

今日は、部活上がりから比呂のバイトまでの間だけ、二人で話をした・・。
やっぱ昨日とかさ・・比呂に叱られたし、 ここでしっかり話さないと、きっと俺・・自信なくすと思って。

今日は学校でも、全然2人きりになれなかったんだ。なんでかっていうと、比呂と坂口とヒノエが、
レミオロメーンの『粉雪』の替え歌作りで盛り上ってたから。
俺はその輪の中にいて、ゲラゲラ一緒に笑ってたけど、やっぱ比呂と2人きりになりたくて・・。

で、ちょっとだけ話そうってことになって、比呂は 『寒いから店はいる?』って言ってくれたんだけど
『人目とか嫌だから・・外がいい』って俺が駄々こねて肉まんとあったかい飲み物買って、公園のベンチで話をした。

『俺・・こないださあ・・・。』 比呂が先に口を開く。俺は比呂のほうをじっとみる。

『・・冬にファンタがホットで売ってる夢を見たのー・・。』
『・・・・・。』

は?

『・・でさー・・。俺はそれを喜んで買ったのね。夢の中でだけど。』
『うん。』
『で、買ったらさ、その自販機が当たりつきのやつでさ・・当たったの。』
『お!すげえ。』
『で、当たったらすぐに俺さー・・迷わずお汁粉のボタン押したんだ。』
『・・・・。』
『で、おしるこが、ガコンって落ちてきて、それをとって、振り返ったら幸村がいてー・・笑ったの。嬉しそうに。』
『・・うん。』
『その笑った顔が、すげえうれしくて、俺、目が覚めてから必死に二度寝しようとした。ははは。』
『・・・ふふっ。』
『そんだけっ。なに?話。』

俺はなんだか心の奥が、じん・・となってしまって、何言っていいかわからなくて『手、つないでいい?』といった。

比呂は、持ってたホットコーヒーをベンチの隅っこにおいて
俺の手をぎゅっと握ってくれて、そのまま自分のぽっけに入れた。わあ・・・・。

やっばい・・。超嬉しい・・・。あ・・そうか・・・これを言えばいいんだ。
俺は比呂に向かって言った。

『手・・つなげると、、すっげえうれしい。』

比呂は俺の方をちょっとだけ見て、えへへって笑って、『俺も。』といった。
今日は寒くて風が強い。でも、俺の目の前は、ハートいっぱいだ。

『あのさー・・ゆっきー。』 比呂がいう。

『なに?』
『・・日曜・・大丈夫そう?』
『あ・・大丈夫。全然大丈夫!』

あーーー!!おデートの話か!

『じゃーあー・・俺考えたんだけどー・・』
『うん。』
『遊園地、いかねえ?』
『わ!!いいねえ。』
『電車でちょっといったとこのさー・・遊園地いこうよ。』
『うんうん。』
『朝早くでてー・・、夕飯まで遊べそう?』
『うんっ!!!!』

俺が満面の笑みでそう答えたら、俺の手を握る比呂の手が、ぎゅっと強く俺の手を握って
そんで比呂はそっぽむいて、すごい小さな声で『やった』といった。

うーわー・・・・。わー・・すごい・・。遊園地かあ・・・。初デートってかんじだー・・。
俺はあまりに幸せすぎて、心のそこから嬉しくて震えた。

家に帰って部屋に入ったら、服もそのままでベッドにダイブ。今日は思い返すことが、いっぱいあるよー・・・。
でも、寒いとこからあったかいとこに入ってきたら、なんか眠い・・・。

・・あ・・、比呂はバイトだったっけ・・・。俺は・・地味な気分になる。

バイト前に、あんな寒い中で、話につきあわせちゃった・・。
どこかの店にでも入って、ゆっくりさせてあげればよかった・・。

・・いや、後悔・・すんのはやめよう・・。
比呂があんなに優しくしてくれたんだから、俺は、ただただ幸せ満喫するべきだ。

気を取り直して、もう一度、今日の事を振り返る。その全てがほんと、うれしくて・・・
俺、比呂と付き合えて、最高幸せだーーー(大声)


Post at 00:18
NEXT