2007/1/28 (Sun.) 21:57:22

小沢の鍋の日、比呂の家にみんなで泊まって、翌日は全員午後から部活で、みんなで学校に行った。
小沢は柔道部だから駐輪場で別れて、残り4人で部室に行ったら、なんか様子がいつもと違った。

あ・・。三年生の荷物がない。

冬の大会のあと、ちょこちょこ来ていた三年の先輩達が、完全に部活を引退することにしたみたいだ。
俺等学校はバスケの強豪校で、先輩の中には実業団に入る人も数人いる。
三年生は優しい人が多かったから、さみしいな・・なんか・・・。

練習が始まって、2年と1年混合で紅白試合をやった。
そんで3時間ほどの練習を終え、最後のミーティング。
先生から新レギュラーの発表があって、もともとレギュラーだった麦は
そのままメンバーに入ってて、更に比呂が新しくレギュラー入りした。

さっきも言ったけど、俺ら学校はバスケの強豪で
高校入ってからバスケ始めたようなやつが、レギュラー入りなんて、ありえないんだ。

足の速い比呂は、突破力が半端ない。試合とかで比呂にボールが渡った後の
スピーディーな展開に、場内が騒然としたことも何度もあって
確かに経験はすくないけれど、その分県内トップクラスの麦がカバーできるし、
比呂のレギュラー入りが決まったようだ。

比呂は、自分が名前呼ばれても、何の事かわかってなくて、
部活終わってしばらくするまで、全然実感わかなかったみたい。

体育館の掃除のあと、レギュラーメンバーに少しだけ先生から話があって、
先に俺は顔を洗うために、体育館外の水道にいってたんだけど、
あとから比呂がやってきて、疲れたような顔してたから
俺は比呂ににこって笑って、そしたら比呂もわらってくれて
『髪、かわいいね。』っていってくれた。

『レギュラー入り、おめでと。』って手を差し出したら、
俺の手にパチンってタッチして『ありがと、マイハニー』だって。えへへ。

幸せ分け合っちゃった。

比呂は水道に行って、顔をジャブジャブと洗うと、
マフラータオルで顔拭きながら、俺にすまなそうに言ったんだ。
『ごめん。明日、練習になっちゃって・・遊べないかも。』
『・・・。』

明日ってのは、つまり今日のこと。日曜はバイトが午後からだから、朝から遊びたいねって言ってたんだ。
でも、レギュラーになったから、午前中練習はいっちゃって、つまりデートできなくなっちゃったわけで・・
でも・・しょうがないもん・・なあ・・。

『いいよ。そんな。大丈夫!』
『ごめんな。俺、楽しみにしてたんだけど。』
え・・ほんと?
『俺も楽しみだったけどー・・・。でもガマンする!』
『ふふっ・・。がまん・・ごめん本当に・・・。』
気にしてる比呂に変顔をして、そんでにっこり笑ったら、比呂が優しい顔で笑う。

『じゃあ、俺もガマンする』っていったあとに、俺の指を握っていうんだ。


『ユッキー・・。』
『なに?』
『夜は駄目?』
『夜?』
『俺、バイト19時までじゃん。だからそのあと・・。』
『21時ごろまでだったら大丈夫。』
『じゃあ、ちょっとだけど、あそばねえ?』
『え、いいの?』
『・・いいのもなにも、俺のほうがもたないよ。』
『え?』
『昨夜もずっと一緒にいたのにー、他のやつらいたから、なんも出来なかったし!』

・・俺は・・寝てる比呂の口にちゅうして・・で・・はだけてた服のスキマから・・
おなかが見えてたから・・そこにもちゅう・・しちゃったけど・・・。
俺はにっこりわらって、いいよって言った。土曜の夜は俺が用事あって、どうしても比呂に会えないし。

こんなふうに、比呂が俺を求めてくれるのが嬉しい。
ピンクの髪を揺らしながら、俺は嬉しさのあまりにジャンプしまくった。
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