Date 2007 ・ 02 ・ 13
『声』
今日は小沢と買い物に行った。静岡の繁華街は、思ったよりは空いてたけど、
光が丘に比べたら、人口密度が半端なかった。
人ごみで小沢とはぐれまくったけど、小沢が俺のピンク頭を目印にして、
探しまくって駆け寄ってくれたから、なんとか迷子にはならなかった。
ちなみに3回くらい、逆ナンされた。都会の女のひとって攻撃的だな。
今回は比呂へのバレンタインプレゼントを買う目的で静岡にいったんだけど、
わらわらと群がる女子群集の中、俺はなかなか頑張ったと思う。
小沢がそんな俺の様子をみつつ、指輪とか売ってるとこを、ちらちらと覗いていた。
もしかして小沢・・彼女とかいるのかな・・・。
まあ、それはそうと、とりあえず俺は、最高キュートなチョコを選んだ。
んで、あと場所を変えて、チョコに付け足す形でのプレゼントを選んで買って大満足。
比呂と付き合い始めてから、飯代とか比呂が全部出してくれて
俺、いつも養ってもらってばっかだから、こういうときにいっぱいお返ししたいんだー。
小沢もなんか買ったみたいで、包みが若干高級そうだった。
誰に買ったのか聞こうとおもったけど、なんとなく・・やめといた。
昼とか食って、そのあとに2人で本屋にいったんだー。
比呂がよく読んでる車の本とかも、恋人との会話予習のために買ってみたよ。
だって話題を共有したいもんね。好きな人の全てに興味がわく。
買い物済ませてから、小沢と2人電車に揺られた。
車内はカップルがあまりいなくて、俺は思わず浮かれ気分から現実世界に引き戻される。
手に持ったチョコとかプレゼントの、重みがいきなりずしっとくる。
どうしよう・・・。迷惑だったら・・・。
ため息ついたら小沢が、俺のみぞおちに軽くぱんちしてきた。
『どしたのー。ためいきー。』
『・・・や・・なんかー・・こんなの買って、迷惑じゃねえかなって。』
『あはは。しょーもないなあー。そのマイナス思考。』
『だって自信ねえもん。』
『・・・想像してみな?それ渡したとこ。比呂はお前になんていうと思う?』
俺は大好きな比呂のことを、心の中で思い描いた。
『・・ありがとう・・っていってくれて・・すげえ喜んでくれそう。』
小沢は俺ににっこり笑って『わかってんじゃーん。もう!』といった。
えへへ。地元に着いたら15時過ぎで、とりあえず比呂に電話した。
そしたらボーリングですげえ盛り上がってるみたくて、
後ろで坂口と麦の喋り声と、浅井とヒノエの笑い声がきこえてきた。
『買い物終わった?』
『うん。今、こっちについたー。』
『おー。おかえりー。』
『へへ・・。ただいま』
『小沢は?』
『いるよ。今からバッティングセンターいって、後は夕飯食うつもり。』
『そうかー。』
『比呂はどうするの?』
『俺はー、ボーリングのあとにねー、卓球予約してんの。』
『あはは。』
『で、そのあと坂口んちにいって、ホットプレートで焼きそば作る予定。』
『へえー。そうなんだー。』
かわいい。ホットプレートで焼きそばだって。
『ねえ、混んでた?静岡。』
『うん。なかなか混んでたよ』
『なんかここ、カップルばっかでさー。俺ら激しく浮いてるんだけど。』
『ほんと?』
『ほんとだよー。こんなに命がけの勢いでボーリングやってんの俺らだけ。』
『あはは!!』
『なんかー・・今日は、瑞希の笑いの神様が、本格的に降りてきてるみたくて、大変なんだよー。』
『そうなの?!』
『俺が、スコアをじ・・・とみてるだけで、「紺野ちゃん勘弁してぇ〜」(←そっくり)って、げらげら笑うの。なんで?!』
『あはははー。』
『あははじゃないよ!ほんとに大変なんだから!・・あ、そういえば幸村さあ〜・・・』
たわいもない会話を、比呂が続ける。
俺はニコニコと笑いながら、駐輪場で自分の自転車の鍵を開けた。
小沢は自転車にのっていて、電話で話してる俺をニコニコと見ていた。
比呂の声・・・。心にしみこんでくる。
こんなに好きになっちゃったんだなあ・・・。
Post at 00:35