Date 2007 ・ 02 ・ 13
『今夜は必ず日本中に同志がいるはず!』

緊張しすぎてゲロ吐きそう・・。ついに明日だ・・うわわわわわわあああ。

バレンタインデー・・告白した時よか、緊張するー。
さっきから俺、挙動不審で、兄ちゃんのことを『姉ちゃん』って呼んでみたり
買ったプレゼントの中身が入ってるのか不安になったり、
比呂が実は夢の中の存在で、実在してないんじゃないかって・・
そこまで思いつめてた。まるで駄目男。最悪。

もう駄目・・どしよ・・と思って、小沢に電話しようと思ったら、比呂から電話来た。

『ぴーんくちゃーん・・・・。』
何だ?ご機嫌だぞ。声かすれてる・・。寝ぼけてるのかな。
時計見たらまだ22時で・・こんな時間に寝てるわけがない。
とりあえず深呼吸をした後、俺はベッド上に正座した。会話しなきゃ!

『どしたのー。あまえっこさんですか。』
『・・・・・・』
『なにがあったの?こんにょくん。』
『はるかさんの彼氏が店に来たんだー。でー、2人でいちゃついてるからさー・・』
『ほんと?!あの人ら仲直りしたの?!』

俺のバイト先のオーナーのハルカさんは、いわゆるオカマさんなんだけど、
彼氏と最近ケンカしたらしく、絶好調に(?)機嫌が悪かったんだ。

『そう!そうなのよ!あの人ったら、仲直りしてたのよ!』
おかま口調がすりこまれてる・・かわいいなー。比呂。
『仲直りかー。うそみてえ』
『でしょ?!こないだまで、あんだけ人巻き込んで呪ってたのに。』
『はは。』

部屋の天井を俺は見つめる。よかった。
とりあえず比呂は、やっぱ実在の人間だった。
思わずふふっと笑ったら、比呂がちょっとだけ黙る。

『比呂?』
『・・・。』
『どしたのさー。』
『どうもしないよ。別に。』
『・・・・会いたくなっちゃった?』

ちょっかい出すと、比呂はまた黙った。こまったなー。俺はベッドに寝転がる。

耳元で比呂の声がする。電話越しとはいえ、たまにぞくっとする。
いつか裸で抱き合う時が来たら、耳元で比呂が俺の名前を呼んでくれるかな。

ううう・・・。たまんないな。
寝返りを打つと、机の上のプレゼントが目に入った。

途端に緊張する俺。隣町まで響き渡りそうな心音。
でも、どきどきしている俺のことなど、全く気づいてないような比呂は
『なあ・・。最近俺・・犬語が話せるようになった・・・。』
なんて気の抜けたようなことを言い出した。なにそれ!

比呂の発言を要約すると、比呂んちとなりの家の飼い犬が
比呂に話しかけてるような気がして、わんわん言い合ってるんだけど
どうも通じ合ってる気がするらしい。俺の彼氏・・・病んでるんでしょうか・・。

そんなクッだらねえ話聞きながら、俺は思わず目を閉じる。
確かに俺は緊張してるが、世の中にはきっと俺以上の葛藤と戦ってる人がいる。

恋は戦いだ、勝たないと意味がない。
少なくとも、男を好きになってしまった俺にとって、
恋愛に本当の平穏はなく、日々が戦いなんだと思う。

だけど、自分の恋心のために、戦えるのは幸せだよ。

そんな俺の思いも知らず、比呂は近所の飼い犬の話ばっかしてる。
ジョンの話なんか、どーでもいいよ・・そういう感じで聞き流してたけど
電話をきった今、そのときの比呂の言葉の一つ一つが愛おしくて、胸がぎゅーっとなる。

がんばるぞーーー!俺って人ー!



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