
2007/2/14 (Wed.) 22:57:34
朝、校門のとこに女がいっぱいいた。
俺は普通に入れたんだけど、先輩とかがたまに女に言い寄られているのが見えてびびる。
中学の頃から、ピカ工のバレンタインはすごいって聞いてた。
教室に入ってから、窓の外をじっと見ていた。俺の教室からは校門が見える。
そしたら比呂が雨の中を自転車でタルそうに走ってきた。
案の定。女が比呂に近寄っていく。けど、それを完全無視して、
比呂は駐輪場まで立ちこぎしてきた。
泣いてる子が何人もいて、隣で見ていた坂口が
『比呂らしくも無い。機嫌わるいんか?』といいながら、教室を出て行った。
少しして、比呂が教室に入ってくる。
『おはよ。』と声をかけたら
『おはよ。』といって、にっこり笑った。
俺はとりあえず比呂のことを、音楽室の前までひっぱっていった。そんで、比呂にそっという。
『だめじゃん・・。あんな酷いことしたら。』
比呂は、は?って顔をした。わかってないなーもう。
『女の子、泣かせちゃ駄目だろ?。』
『・・・・・。』
『話かけてるのにさー、無視とかしてさー。』
『・・・・。』
『チョコぐらいもらってあげたらいいじゃん。フるにしてもさ、いい思い出になるようにさあ・・。』
『・・・。』
『お前、チョコ嫌いならさ、お前がもらったちょこ、俺が食ってやるよ』
『・・・・。』
『だから・・さ・・。』
そしたら比呂が、むすっとした。
『家でてから、あんなのがいっぱいいて、一人ひとりにそんな風にできねえしっ。』
『・・・・。』
『つか、お前にそんな風に言われるなんて、思ってなかったし、がっかりした。』
『え・・・。』
『そんな事言われても全然嬉しくないっ。』
『・・・・。』
『・・わかったよ・・じゃあ、今から全員に謝ってくる。』
ため息交じりでそういうと、比呂は走っていこうとした。
やだっ!!!
『待って!!』とっさに腕を掴む。そのまま手繰り寄せるように比呂の背中に抱きついた。
他の女と比呂が目を合わせるだけでも俺は嫌。やだっ・・・絶対やだ!!!
だって俺、絶対に女にかなわねえもん・・・。
比呂が、はあってため息をつく。『泣くくらいなら・・最初からいうなよ・・・。』
・・・びっくりした。俺は泣いていた。比呂がゆっくりと俺を抱きしめる。
比呂の腕の中、俺の場所だ。ここは、一生俺だけの場所。
『俺のために・・・女らを無視してくれたの?』俺は聞く。
『別に。』比呂の返事は短い。
恩着せがましいことの一つや二つ・・言ったって罰は当たらないよ。
俺がゆっくり顔をあげたら、比呂はまだ怒ってた。
『どーゆーつもりで、あんな酷いことを俺に言えんの?』
なんもひどいことは言ってない・・寛容であろうとしただけじゃん・・。
***
事の詳細を、小沢に相談。そしたら頭をはたかれた。
『バカユッキー。なんだそれ暴言じゃん。最初から最後まで、全部暴言』
そんな風に言われてへこむ。
『何が暴言なのかわかんない。』
そういって小沢をみつめたら、小沢は困ったような顔で、俺に言い切ったんだ。
『大好きで大好きで大切にしたいお前にー・・他の女のちょこぐらいもらってやれなんてー、
言われた比呂の気持ちが、わかんねえの?あいつが今日、学校に来るまでに、
女らを無視してつっきってたのは、お前がヤキモチ焼きだからだろ。
それをそんな風に、余裕顔で諭すなんて・・ほんとバカだよ。反省しな。』
親友にガツンといわれて、本格的に俺は落ち込んだ。・・はあ・・。
昼休み、比呂のとこにいって、『朝はごめんね』といってみた。
比呂は、まだちょっとむすっとしてたけどそれでも、俺が手を握ったら、黙って握り返してくれた。
放課後に俺は、ちょこを渡すつもりだ。他の女のことは全部スルーだったけど・・
俺のちょこは、もらってくれるかなあ・・。