Date 2007 ・ 02 ・ 15
『比呂ちゃん』

あー・・・。バレンタインデーでしたー・・・。
もういちいち、ビックリしっぱなしだった。
比呂がモテるのは知ってたけど・・あんなにすごいモテかたしてるなんて。

だけど、そういう女の子達を、全部無視してくれたんだ。
朝、それを見たときは、ひでえなあって思ったけど
帰り道、俺の隣で、女子を無視して自転車で走り抜けていってくれた
比呂に俺は最高に感激したんだー。

それにしても・・比呂はあんなにモテてんのに、
俺・・ちょこなんか・・・ほんの少ししかもらえなかった・・・。
内訳はあえて言うまい。つか・・小沢と坂口が俺に義理チョコくれたのが
涙出るほど嬉しかったんだけど!!!!

まあそれはいいとして、話の流れで比呂が俺の部屋に寄ってから帰ることになった。
どういう話の流れかと言うと、普通にぱっこんのプリンターが調子悪くて、
それを見てくださいって言う餌で、比呂を釣ったって言うわけ。
部屋に入ったら机の上に、姉ちゃんと母ちゃんからバレンタインデーのチョコレートが・・・・

・・・勘弁して・・・(号泣)

ふーーざけんな!あの女ども。思いっきり比呂にみられたじゃねえか!
はずかしい!あほ姉貴!!!あほかあちゃんっ!!!

俺は瞬時にチョコを引き出しにしまい、恐る恐る比呂の方を見た。
そしたら比呂が笑いながら『俺ももらった。うちのおばちゃんに。』
といって、高級そうなチョコを見せてくれた。

一緒に食おうといってくれたから、俺は台所にいって茶を入れてくる。
おちつけー・・おちつけー。こぼさないように、二階まで茶を運ぶ。
ドアを開けたら比呂が制服の上を脱いでプリンターを修理してくれていた。

ああ・・


大好きです・・・(ぽっ)

俺は比呂の腰にしがみついて、好き好きいって、うっとりしていた。
『食っていいよ、ちょこ』って、比呂が言うから
俺は比呂がおばちゃんからもらったチョコを、一口ほおばって瀕死になった。

なに・・・なにこの上品な味わい。

見た目は洗練された印象、口に入れたらとてもクリーミーで
舌触りも滑らかな上に、味わい深くて、とにかく品がある・・・。
どこで買ったのかなって思ったら、どうやら銀座の店らしい。

光が丘銀座の銀座じゃないよな。

てことは東京の?!!!おおお!どうりで口に入れた瞬間
都会の風を感じたわけだよーー・・って
そんなことを言っている場合じゃないでしょ俺っ!!

俺は自分のバッグから、プレゼントとチョコを取り出して、
ちょうど修理が終わったような、比呂にむかって、さっと差し出した。

『・・・・・?!』びっくりしてのけぞる比呂。

『なにこれ・・。』『ババレンタインデー』

噛んだけど気にしない。

『比呂に渡したくて買ってきたんだ。もらって!!』

頭の中を、比呂に無視された女子の顔が走馬灯のように流れてビビる俺。
でも、それもすぐに消えた。
『わ・・うれしい。ありがとう。』
というと、比呂はあっさりと、それを受け取ってくれたんだ。

『迷惑じゃねえの?』
『なにが。』
『甘いものなのに・・。』
『・・なんで?迷惑じゃないよ。』
『だけど・・・』
『お前が俺にくれるなんて、思ってもいなかったから嬉しい。すげえうれしい。』
『ほんと?』
『そうだよ。だって今日ってそういう日じゃん。やった〜・・うれしー・・ありがとー。』

・・そういう日だから、俺のチョコを喜んでくれたって言うの?
俺が、じっと比呂を見たら、比呂はとても幸せそうに笑ってくれたよ。

あーなんか、まだ幸せ気分が抜けないや。

ちょこ渡したあと、沢山口づけもしたしー・・・とにかく俺、幸せだったー。
少ししたら、間の悪いことに、かあちゃんがママさんバレー仲間引き連れて
帰ってきてしまったから比呂とのラブラブももう終わり。

でも、俺の部屋から出て行くとき、比呂は
手首に俺があげた天然石がついたようなブレスをしてくれてたんだよ。やったー。
俺の目の前でチョコも食ってくれた。なにもかもが、幸せだった。

チョコあげて、本当によかった。

比呂が恋人で、本当によかった!!!!


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