Date 2007 ・ 02 ・ 20
『テスト』
昨日は、土曜日の代休だった。
土曜は実習の定着度テストで、一日中実習室。
で。
昨日はその代休だったんだけど、比呂のおばちゃんが日曜の俺らの部活中に、自宅で切迫流産で倒れて、
部活途中で抜けた比呂の荷物をみんなと届けに行った。
おばちゃんも赤ちゃんも無事。よかった。比呂はすげえ強がり元気を見せてたけど、
泣いたような目をしてて、それを見た坂口が廊下に出て泣いていた。
坂口のとこも一昨年だかに、おばちゃんが妊娠したらしいんだけど、
同じような時期に流産しちゃったんだって。だからそれを思い出したみたい。
比呂にしても坂口にしても、背が大きいから見た目本当に大人じゃん。
だけどこころは、まるで小学生みてえなのね。
ガッシュとか読みながら、わんわん泣いちゃうんだもんね・・。
俺もガッシュには毎回号泣だったけど。
で、そんな感じで日曜は比呂と遊べなくて、昨日、部活のあとに、少しだけ遊んだんだ。
だけど2人きりじゃなくて、麦以外のいつものメンツ。
麦はバイトだったみたい。俺の周りのやつらは、本当に良く働くと思う。
で、カラオケにいったんだけど、ヒノエが最近、中島美嘉の物まねをマスターしたもんで、
腰にジャージ巻いて、ズボン脱いでミニスカート演出で、NANAの曲を歌ってた。
・・・公然猥褻・・・・(たすけてください
ヒノエはバスケ部じゃないんだけど、小沢と2人で暇してたみたいだから、
誘ったら俺らより先にカラオケ屋の前に到着していた。
小沢とヒノエは歩いて3分くらいの距離に、それぞれの家があるんだけど
ちょうど学区の境界線で、小中学校は別だったんだって。
まあ、そんな豆知識はいいとして、最近ヒノエが俺らとよく遊ぶのが不思議で、
携帯鳴って部屋の外に出た比呂のあとをそっとついていって、
電話を盗聴しがてら、それを聞こうと思ったんだけど、
比呂の電話の相手が、女だったみたいで、俺・・俺・・・
それに怒って、電話中の比呂の携帯を、突然奪い電話口に向かって
『俺の比呂に手を出すなあああっ!!!』
と、怒鳴りつけて電話きってしまった。
・・・・比呂の顔がハニワのようになっている。
ああ・・やってしまった。
その声を聞きつけた、浅井が部屋から顔を出す。
『なーんかしたのー?お2人さーん。』とかいう。
なんかしたのって・・そんな気の抜けた顔で言うな、エロめがね。
俺は今・・人生において、最高落差のがけっぷちだよ・・・。
『なんでもなーい。ごめーん。』
比呂が浅井に手を振った。浅井が比呂に手を振り返すと、
俺に投げキッスをおくって部屋に入った。(おえ
比呂の言い方が、すごく普通だったから、俺はちょっと安心して、
比呂のほうに視線をやったら比呂の顔に死相がでていた・・・
『お・・・・おまえ・・・・。』
動揺しきっている比呂。そして俺の手を引っ張ると非常口の前につれていく。
うへえ〜・・。シメられんのかな・・・。
俺が肩をすくめたら、比呂はヘナヘナと座り込んで泣きそうな声で俺に言った。
『やば・・い・・。完全ハルカさんにばれた・・・。』
電話の相手はハルカさんで、最近の俺の行動がすごく怪しげだから、
ここ数日、俺のことをプチ監視していたらしい。
そのさなかに俺が、比呂のシフト表のとこに、ピンクのボールペンで
ハートを二つ描いたので、
『あいつら、付き合ってる。間違いない)』
と、いうことになって、比呂に確認の電話をしてきたそうだ。
比呂は必死に隠してたんだって。友達数人には俺達の関係を打ち明けたけど
職場でそういうのを知られると、色々と気を使わせちゃうから・・・。
・・・・反省。
カラオケ後、比呂がバイトだったから、俺も一緒についていって、ハルカさんに謝りにいった。
その前に比呂が前もって、ハルカさんに電話で謝ってくれてたんだけど。
・・・ハルカさんには、交際をやめることをすすめられた。
もちろん、あの人自身の辛い経験を、俺らに味合わせたくないから。
紺野が女遊びばっかしてたのは、ハルカさんはよく知ってるし
俺の比呂に対する恋心は、中学のイジメの時の反動で、友達というものに対する感情が、
ちょっと行き過ぎているだけなんじゃないかと・・まあ、そういう風にいってくれた。
だけど比呂が、それを否定した。
『俺が幸村の事を好きで付き合うようになった。別れたくない。』
それを聞いたハルカさんは、黙って立ち上がると比呂の背中をぽんっとたたき、
そして『まあ、頑張りなさい。』といって笑った。
そのまま俺、スタッフルームで、比呂がバイト終わるのを待った。
今日は比呂のバイトが2時間だったし、話がしたいと思ったから。
で、比呂のバイトが終わって、一緒に歩いた帰り道で
比呂が俺の手を握った。俺はすっごくすっごくどきどきした。
夕飯でも食う?みたいな話になったんだけど
そのときに、俺の携帯が鳴って、かあちゃんが今日は鍋だから
早く帰って来いっていう。あのばばあ・・・・・・・。
比呂にそれを言うと、『いいよいいよ。じゃ、俺も病院行くかな。』
って、俺に笑ってくれたんだよ。・・・ごめんね・・・。
それから別れ道まで、ずっと手をつないで、歩いた。
今日は、半日授業だったんだけど、比呂は午後から夜までバイト。
俺ももうちょいで塾だから、遊べないな・・。話がしたいなあ。
比呂から借りた『リボーン』と『銀魂』でも読んで、
気持ち切り替えて、塾に行こう。
比呂がハルカさんに言ってくれたこと・・・
すっごいすごい うれしかったなあ・・・。
Post at 17:12