2006/5/24 (Wed.) 07:56:41

『おはよー。麦いるー?』
たるそうな声に振り向くと、異様なカッコのこんにょが立っていた。
手に持つプリントをひらひらさせる。
『後藤先生から預かった。1組から順番に風紀委員と学級委員にかいてもらってって。』
『かく?なにを?』
紺野からプリントを受け取ったら、朝の挨拶運動の日程が書いてあった。

ピカ工近くに小学校があるんだけど、去年から通学路に立って
交通指導や安全確保をすることになっているらしく
今年も引き続き行うんだけど、6月は1年生の担当らしい。
当番制で一日二人、一番危ない交差点に30分くらい立つんだけれど
そのとりまとめが風紀委員と学級委員だから、その署名をしろってことらしい。

『今書いちゃって。そしたら俺がまわすから。』

こんにょはそういうと、階段の方に目をやった。
俺は紙に自分の名前を書き、学級委員にプリントを渡した。
『それにしてもお前、なにそのかっこ。』
『あ?これ。これは・・』

そのとき階段のほうから、浅井の笑い声が聞こえてきた。
ドアから顔を出し、そっちをみると、変な歩き方のユッキーと、
泣きながら笑っている浅井が、よろよろしながらこっちに来た

比呂いわく。

下駄箱でユッキーに会ったら、筋肉痛で歩くのつらそうで、だから荷物を持ってやるといったら、
あとから来た浅井が『ユッキーばっかずるい。俺のもなんか持って!』っていうから
『めがねを持ってあげた。』・・・だそうだ。
比呂はおれんちの学級委員から、プリントを受け取り、じゃあなといった。
奇妙な格好のまま比呂は、自分のクラスの方に向かうと、
教室の入り口に立っていた斉藤君に膝かっくん食らわせた。

斉藤君がいなばうわ。



その後姿を見て、浅井がますますげらげら笑う。

『ユッキー・・どしたの?』
俺は、死にそうな歩き方のユッキーにこえをかけた。
『・・ば・・バイトでオカマにこき使われて・・筋肉痛・・。』

ああ・・・、比呂のとこのハルカさんか。
その姿があまりに痛々しいから、俺は幸村をおぶってやった。

朝からにぎやかな連中だな。俺も浅井につられて笑った。

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