2006/7/13 (Thurs.) 09:32:48
『プリントアウトしてみたよ。浅井の右手が邪魔だけど』
テスト最終日。
昨夜、紺野との思い出を振り返りすぎて寝不足な俺の目の前に、
サイコーなものを差し出す小沢。
『なにこれーーーー!!!!』
俺はそれを受け取った途端、顔から何から真っ赤になった。
紺野と俺が、すごい密着して、幸せそうに笑ってる。
心臓が飛び出そうな勢いだ。俺は小沢をひっぱって廊下に飛び出た。
『なになに?これいつの?』
『昨日だよ。数学のテストの前。』
『?』
『何?覚えてないの?昨日紺野がさ、不幸の手紙がなんとかって話して・・。』
『ああ・・。それはおぼえてる。』
『あんとき撮ったんだよ。二人がかわいかったから』
『?!!!!!』
うっそ・・。こんな風にしてた?俺ら。
話は覚えてるんだけど、この密着度は全然覚えてない。
『駄目じゃーん。こんな幸せそうな顔してたのに、わすれてちゃあ。』
『うん・・。えー・・、まじこれ、合成じゃねえの?』
小沢が、はあ・・・っとため息をついた。
『だからー、いつもこんなかんじで、話してるんだよ。君らは。
あまりにいつもの事で、意識できてないんじゃないの?
俺、いつもいってるじゃん。幸村はさー比呂に特別大事にされてるって。』
『・・・・。』
『・・・・。』
『いつもこんなかんじで話してるの?おれら。』
『そうだよー。仲いいんだから』
『客観的に見るとこんなかんじなんだ。』
『そうそう。自信もちな。』
前にも小沢に、隠し撮り風に俺と比呂が話してる写メをもらったけど・・
たしかに写真の俺達は、ほんとに仲よさそうに見える。
でもそれは、周りの人間が切り取られた世界の話の事で
だけど・・今朝もらったこの写真は・・・すげえ幸せに満ちている。
『さんきゅ。だいじにする。』
『うん。』
俺は、かばんに大事にしまう。
帰りにコンビニでカラーコピーしよう。
保存用と、切り抜き用と、お守り用に・・っ
席に座ってたら、比呂が来た。『おはよ。』・・むすっとした顔・・声が低い。
『おはよう。』と俺が笑って言うと、比呂はリュックを憮然とおろして
ドカっと席につき俺を見ると、『テストもやっと今日で終わるね。』といった。
『そうだね。あのさ、今日テスト終了祝いに二人で飯でも食いにいかね?』
俺は、勢いで比呂におねだりする。
比呂は、一瞬きょとんとしたけど『いいよ。いこう。』といって笑った。
俺は、ちらっと小沢のほうを見た。小沢が俺に、にかっとわらった。
よし、今日も頑張ろう。
ちょう前向き。なんか、いいことありそう。