Date 2006 ・ 07 ・ 13

紺野マイラブ

今日でテストが終わりで、明日は学校は休み。
バイトも今週いっぱい休みだから、俺は比呂を誘って、サニーバーガーに昼飯を食いにいった。

昨日、夜更かししたらしい比呂が、眠くて死にそうだったから
俺んちで仮眠をとらせることにして、居間のクーラーかけて、ついでに俺も、くうくう寝てしまった。
そして、なにやらガチャガチャうるさいなあと思って目を開けたら

なんと目の前に夕飯の支度が!!

しかも姉ちゃんの友達とかもいる。横を見ると比呂が、そりゃあ幸せそうな顔で、すやすやと眠っているのだ。

『い・・今何時?』俺はねえちゃんに聞く。
『19時よ。そろそろ起こしてあげたら?』ちなみに姉ちゃんは比呂が大好きだ。
姉ちゃんの友達もみんな、比呂の寝顔に釘付け。
そんなに若い男が珍しいのか・・・口に出さずに心で言った。

『比呂・・・。比呂・・。』
俺は比呂を揺り起こす。比呂は、んふふと笑って、うんうん頷いて
また寝てしまう。・・・わーーー・・もーーー。
家族共、邪魔!どっかいけ!こんな最高キュートな比呂を
人目気にするあまり、心から堪能できねえなんて・・。

そしたら姉ちゃんの友達が、比呂の方に寄ってきて
『君。こんなとこで寝てたら風邪ひくよ。』といいながら
比呂の肩を撫でた。・・・化粧くせえ・・・。

すると比呂は、『あ・・はい・・・。』って、
がらっがらの声でいいながら、のろーっとおきて、目をこすり
ぽー・・・・っとしたあと、全身をびくっとさせた。

驚きのあまり言葉を失う比呂。

今となっては俺らの前には、飯の準備を終えた母ちゃんまで座ってて、
比呂を満面の笑みでみている・・。
比呂は、あわてて正座をすると、『こ・・こんにちわ・・。』といい、
そして、バッと窓の外を見た後、『いや・・あの・・こんばんわ・・。』といった。

姉ちゃんの友達が、かわいいかわいい言ってウザい。
『ごめん・・俺帰るよ・・。すみません・・。お邪魔しました。』

すると母ちゃんが、笑って、『お夕飯食べていって。紺野君。』という。
比呂が、返す言葉に困っていたら、『おうちのほうには電話しておいたから』という。
学校の連絡網見て、早々に連絡しといてくれたらしい。
ナイス俺の母親。俺は今日ほどあんたを尊敬したことない。

俺は比呂に『たべてってよ。ね?』という。
比呂は、『あ・・・じゃあ・・。』といって、俺の横に座って、頭の後ろを撫でていた。

母ちゃんから、飯をよそった茶碗を渡され、俺は比呂の前においてやる。
そして『どうしたの?』と比呂に声をかけてみた。すると比呂は、
『なんか・・痛くてさ・・。』といい、頭を撫でていた手を離すと、
瞬時に家族一同(とそのフレンズ)が凍りついた。


・・・・・・・その赤いの・・・何?


『わーーー!!紺野君!それ、血じゃない?』
紺野は、『いや・・でも・・おれ・・えーーっ?!』と、混乱の極みに達していた。
俺が急いで比呂の頭を見てやると、耳の横辺りがちょっと切れてて
そんなに大きな傷じゃなかったけど、姉ちゃんが消毒をしてくれた。

『なんかもう・・ほんとすみません。』
紺野が申し訳なさそうにいう。俺もさすがに胸が痛んだので、事の真相を話すことにした。

『わり・・。あのな・・、今日な・・お前を玄関からここに運ぶときにな・・
あっちこっちにぶつけちゃってな・・。多分そのときの傷だと思う。まじごめん。』

比呂は、『いや、俺の方がごめん・・床とか汚さなかったかな・・』って
自分の頭の傷の事より、ひとんち家の心配をしてくれた。

夕飯は、姉ちゃんの友達の、紺野への質問責めが、マジうざかった。

夕飯が終わり、俺はコンビニにいくとかテキトーいって、比呂を送っていくことにした。
比呂は、俺の家族に丁寧に礼を言って、玄関を静かに閉めた。

そして、自転車の鍵を外すと、へたへたーっと座り込んでしまう。
『どした?大丈夫?』俺が言うと、『緊張したー。』と笑った。

うん。
俺が逆の立場だったら、飯なんかノドを通らなかったな。
比呂は、ちゃんとうまそうに飯を食って、すすめられたおかわりもちゃんと受けていた。
えらいなあとおもったよ。

近所のコンビニにつくと、『あ・・ユッキー。ちょっと。』という。
そして、コンビニで、アイスをいっぱい買ってくれて、
『帰ったらみんなで食って。』という。

『そんな・・気を使うなよー。』と俺が言うと
『ううん。飯、すげえうまかったし。おばちゃんによろしくいっといて。』って、笑うんだ。
そんで、そのアイスの中には、俺の大好物もちゃんと入っているんだよ。


コンビニの前で俺等は別れた。
嬉しかったから、俺は帰り、ずっと立ちこぎでうかれて帰った。家に着くと、姉ちゃんが
『トモ(ねえちゃんの友達の中の一人)が、紺野君を気に入っちゃってさ、紹介してあげて欲しいんだけど』という。

『駄目だよ。あいつには相手がいるから。』俺はきっぱり断った。

あいつは俺んだ。両想いじゃないけど。
身を引けるような中途半端な想いじゃないんだ。だから誰にもやらないよ。

自分の分のアイスを取って、母ちゃんに比呂からの伝言と
残りのアイスをそっくりわたし、俺は自分の部屋に行った。

そしたら机の上に、今まで小沢からもらった写メをプリントアウトしたやつが散乱していた。
あ・・俺昨日・・過去を振り返りながらこれ見て、比呂で一発抜いちゃったんだ・・。

比呂をこの部屋につれてこなくてよかった

俺はカバンをあけ、今日新たに小沢からもらった写メをプリントアウトしたやつを
取り出して、じっとみた。

やっぱ好きだな・・。俺は紺野を、すげえすげえ好きだと思った。
そろそろ家に着いたかな。寝る前にメールしてみよう。

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