2006/7/16 (Sun.) 00:24:09
今日はバイトだった。比呂と二人、同時刻同時間。
俺もついに8時間労働とかに、耐えうる体になりました。このバイト楽しい。比呂がいるしね!
二度目の休憩時間(15分休憩)は、スタッフルームで過ごすことにして、
俺等は二人で階段を上がる。そんで二階のスタッフルームに向かう途中で比呂の携帯が鳴った。
『あ、めずらしい。』
『なに?』
『坂口からメール。』
『へえ・・。で、なんだって?』
『暇だったら電話してだって。』
『あはは。すげえタイミングだね。』
『なんだろ・・。電話してみる。』
スタッフルームに入って比呂は、一番窓側のイスに腰掛けた。
俺はドア側のイスに座って、机に突っ伏して、比呂の電話を盗み聞きすることにした。
比呂が電話をかけた。坂口にだよな・・。
『もしもーし・・・。あ、俺ー。俺なんだけどー。・・うん・・うん・・。あはははは。』
なにやら楽しそうだな。むむむ・・。
『ほんと笑えるね。あの先輩。そうだ、浅井ちゃん。ちょっと頼みがあるんだけど、坂口の携番おしえて?』
・・・相手浅井かよ。
『うん・・。うん・・。わかった。うん。あははは。忘れないうちにかけるよ。うん。じゃあね。ありがとう。おやすみー。』
比呂は電話をきったあと、すかさず次の番号をおした。
『・・もしもーし。俺ー!俺俺!・・は?・・あー、そうそう。最寄の銀行に100円振り込んでください。』
今更俺俺サギとか・・・。
『え?うん。そうバイト。・・うん・・。うん・・。いるよ。幸村も。』
俺のことか?!!!
『・・え?なに?・・・ああ、知ってるよ。うん・・・。・・・・・・あはははは。まじで?
いいよ。わかったわかったー。・・うん・・・んふ・・うん。うん・・うん・・んはは。』
会話のほとんどが笑い声の比呂。あはは。
『・・うん・・。わかったー・・。うーん・・。いいよー。・・いやいやいや、大丈夫。うん。
・・んふふ。おっけー。・・・うん・・。じゃねー・・。おやすみー。』
盗み聞きをしたのはいいが、坂口の用件はまったくわからない。
比呂の話を聞く限り、楽しい話だったんだろうけど。
電話をきった比呂は、机にゴンっとでこぶつけつつ、突っ伏して
時々、んはは・・思い出し笑いして、そしてちょっとすると、
『ねえねえ、ちょっとー・・・』と口を開いた。
どれどれ?俺に話があるのかな?
俺は顔をムクっとあげた。そしたら比呂が、俺のほうを見る。そして笑うから俺まで笑う。
『なんだっってー?坂口。』
『えー・・。なんかねー・・・。んはははは。』
『なになにー?なんかされたの?』
『うん・・なんかさー・・一昨日さあ、林間学校のしおりもらったじゃん。』
『うん。』
『それをさ、間違って俺の分ももって帰っちゃったんだって。』
『うん。』
『だから・・ごめんね?・・・だって。』
『なんだそれー!!!あはははは。』
『ったくあいつ、うっかりしてるよね。んなのメールでいえばすむことじゃん。』
『だよねー。』
『でさー・・あはは・・。』
『なになになに?』
『ついででなんだけど・・・ササナキ全巻貸して?って。』
『ささなき?』
『うん。俺の好きな漫画なんだけどさ・・。』
『あははは。』
『実際どっちがついでだったのかなって思ったら、おっかしくてさー。』
『しおりの件は、ダシだったってこと?あははは。』
『坂口らしい!!あはは!!!』
俺等は貴重な休憩時間を、そんな感じの密度の薄い会話でやりすごしてしまった。
『あー・・わらったわらった。』
そんなこといいながら、比呂が俺より先を歩く。
おれはそんな比呂の後ろを、ニヤニヤしながらついていく。
比呂のペースがめちゃくちゃ心地いいよ。
俺は心から坂口に感謝した。