Date 2006 ・ 08 ・ 03
どうしよう・・
比呂の事で、昨夜小沢に電話で相談した。調子いい事言うようであれだけど、やっぱり後ろめたくて。
『何で年上が好きなのか』とか、『何でかおりと別れたのか』とか・・
そういうのを俺が愚痴ったら、『俺が紺野に聞いてやるよ』って言われた。
俺は今日、親戚の集まりで部活出れなくて、バイトは比呂と時間が違うし、
比呂に会わなくてすむから、『頼むよ。』って、小沢に言った。人任せにして卑怯だけど・・。
で、小沢にもうひとつ頼んだんだ。『比呂にかおりとやり直すように言って?』って。
親戚と遊園地にいったんだけど、俺、全然楽しめなくて、
中学生の女のいとこがいるんだけど、さぐりを入れられてムカついた。
で、帰ったら、小沢からメールがきて、『直接会って話そう。』って言われたから
さっき、あいつに会ってきた。
小沢は単刀直入に、『比呂の言葉をそのままリピートすんね。』という。
俺は、ガードレールに腰掛けて、黙ってこくりと頷いた。
『じゃまず、何で年上なのか。』『うん・・。』
『わからない。年で選んだわけじゃないし。』『・・・ん。』
『んで、何でかおりと別れたのか。』『・・・・。』
『・・・・。』『・・・・。』
『まあそれは・・いいじゃん・・別に・・だって。』『ああ・・。』
・・・小沢は、ため息をついた。そんで俺のほうを見る。
『で。』『・・うん。』
『かおりとやり直せっていったよ。』『・・・うん。』
『きっとお前の事が好きだし、大事にしてやったらって。』『・・・うん。』
小沢が深呼吸をする。
『そしたら比呂が・・・。』『・・うん。』
『簡単に決めた別れじゃない。俺は俺なりに考えた。だから絶対、もう会わない。』
『・・・・。』
『だからお前らも、俺を甘やかすようなこと言わないで・・・・だって。』
『・・・う・・・ん。』
『その後はさ、普通に話してさ・・ヒノエの事とか話して、
で、別れ際に、比呂がさあ・・夜お前に電話するって言っといてって。』
『・・・・。』
小沢は俺のことを蹴飛ばしていう。
『幸村って片思いしてんでしょ?お前なんか聞いてる?って言われてー、まあねーって茶を濁したらー・・』
『・・・・。』
『小沢も大変だね。今度カラオケでも行こうぜ。2人で。・・・だって』
『・・・ははは。』
『・・・俺今どんな歌聴いても、きっと泣いちゃうけどって。』
『・・・・・。』
『そういって比呂は笑顔で去りました。』
『・・・・・。』
『・・なあ・・ユッキー。』
『・・・・え?』
小沢が俺の方を見て言う。
『比呂はちゃんと自分で考えて、その人との関係を切ったんだよ。
お前の助言もあったかもしれないけど、俺も比呂は別れて正解だったと思う。』
『・・・でも・・・。』
『ユッキーは比呂の事が好きなんだろ?そんな自分に不利になるような考え方するなよ。』
『・・・・。』
『比呂は、自分で決めたんじゃん。もし自分でその人を幸せにできるんだってあいつが思ったんなら、
全て捨ててその人のとこに行くような男じゃん。』
『・・・・。』
『・・でもそうしなかったのは、そうしないだけの理由が自分にあったからじゃん。』
『う・・ん。』
『・・泣くなって・・ゆっきー・・。でさ・・。』
『・・ん。』
『比呂がさ、・・あの比呂がさあ・・相手を思って自分から別れたんだぜ?』
『・・・・。』
『あいつの決断迷わすようなこと、言うのやめよう。』
『・・・。』
小沢が俺の隣に座る。
『俺、前に比呂に色々相談したことがあって、まあ人間トラブル的なことだけど・・
そん時あいつ、俺のトラブルの相手のことをさ、すげえぼろくそにいったんだよ。
会った事もないのにだよ?もう、すっげえ怒っててさ、あの比呂がそういうこといったんだ。』
『うん・・。』
『で、俺・・比呂がそんなこと言うなんて思わなかった・・・っていったんだよ。比呂に・・。』
『・・・・。』
『そしたらさ、「俺はお前の友達だから、お前の敵は俺の敵。そんなやつに気を使う義理なんかない。」』
『・・・』
『・・と、怒り倒していました。最後まで』
『・・・・。』
『しまいにゃそいつに、「イタ電かけてやる。番号教えろ。もしくはメアド」とか、とにかくめちゃくちゃで、大変なの。』
『・・ふふっ』
俺が気のない笑い声を出すと。小沢が姿勢を正して俺に言った。
『今、俺は、あのときの比呂と同じ気持ちだ。』
『・・・・。』
『さすがにボロクソには言わないけど・・。』
『・・・・。』
『俺はその女の人が、どうなろうとどうでもいいんだ。』
『・・・・。』
『お前と比呂が幸せになるなら。』
『・・・おざわ・・・。』
『お前がその人の分も、比呂を幸せにしてやんな。』
ああ・・。これが友達ってやつなのか?
ともだち・・・・。すげえ・・。本当にすごい・・・。
嫌な役引き受けさせちゃったのに、小沢は最後まで俺の味方で・・
なんかすごく嬉しかったし、俺ってやっぱ世間知らずの甘えっこなんだなって・・痛感したよ。
比呂が電話で俺に何を言おうとしてるのかわからないけど
ちゃんと自分の言葉で話そう。
きれいごととか・・・そういうんじゃなくて・・
ちゃんとあいつのことを考えて、ちゃんと気持ちのままにはなしをしよう。
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