2006/8/10 (Thurs.) 17:11:57

今日は林間明けでそっこう部活。

林間中、クラス違うからほとんど接点なかった比呂と、昨日は坂口んちでもりあがった。
夜遅くなったから泊まれって、坂口が言ってくれたのに、
『用事があるから今日は帰る』って、家に戻った比呂が気になっていた。

だけど、部活に来た紺野は、いつもどおりで、まあよく笑うわ、こけるわ、やつあたりするわで・・・
俺のかわいい紺野比呂のままだ。

部活が終わって、幸村が塾で、比呂はそのまま昼飯買ってバイトに行くらしい。
『なら俺んちに来て食えよ。』って声かけたら
『麦んち?・・ああ、じゃあいく。』といって自転車をかったるそうにこぎ始めた。

コンビニに寄って弁当買って、俺んちきた途端、比呂がケツポケットからタバコを取り出す。
勝手知ったる俺の部屋。比呂はタンスの上から灰皿下ろしてきて、がらがらと力なく窓を開けた。

・・・おや?
なんか・・なんかへんだな・・。
『なんかあったのか?こんにょ・・。』

比呂は煙をすぱーっとはくと、タバコをくわえて『なんもないよ。』という。
立て続けに3本吸うと比呂は
『わりい、もういくわ。』といい部屋を出て行った。

俺はあとを追いかけて、『そういやおまえ、電話通じねえんだけど』ときく。
朝から何度も電話したんだけど、ちっとも繋がらなかったんだっけ。

そしたら比呂は、胸を押さえて、痛そうな顔をした。
俺はビビッて『どうしたんだよ!』と比呂の背中をさする。
『壊れた・・。なにもかもが。』
そういって比呂は、俺に金ケリをかまして、バイトに行ってしまった。

何もかもが壊れたってなんだ?理由がわかんなくて、シャクだけど幸村に電話した。
そしたら塾の休み時間らしく、すぐに電話にでてくれた。

『おう。ゆっきー。わりいな。』
『ううん。全然いいよ。で、なに?』
『じつはさ、紺野に電話が通じないんだけど。』
『ああ、なんか壊れたとか言ってたよ?今日、バイトあとに買うんだって。』

俺は比呂がバイトを16時に上がるってきいてたから、その頃自分のバイトの休憩を取った。
んで比呂のバイト先に行くと、ちょうどあいつが出てきたとこで
『携帯壊れたってどうしたんだよ。』って、話しかけながら近づくと
『いいじゃん別に。今から新しいの買いに行くから』
そういって、俺をテキトーにあしらおうとしたんだ。

『そうか。偶然俺も機種変更しようとおもったんだ。一緒に行こうぜ?』
『・・・あ、そ。』

なんだよこいつ、・・・なんだよ・・。

店について、比呂と2人で新しい携帯を選ぶ。
そんで、データをどうするこうするって話になったとき、比呂が壊れた携帯をがしゃんと置いた。

・・は?
・・・まっぷたつ?

携帯ショップのお姉さんも、ちょっとビビッて理由を比呂に聞く。
『どうかなさったんですか?これ・・。』
そういわれて、比呂は言いたくなさそうな顔をした。そんで質問には答えずに
『これ、処分してもらっていいですか?』というと、あとは黙って、壊れた携帯を見ている。

『わかりました。』とお姉さんが言った。

そしてあとの手続きを済ますと、比呂はさっさと店を出て行ってしまう。
俺もなんとか手続きを終えて、比呂のあとをいそいで追いかけた。

『まてよ!おい!』大声で言うと、その辺を歩く人も一気に振り向く。
だけど比呂は、ふりむかないで、そのまま自転車で行ってしまった。

ったく、どうしたんだよ・・あのやろう・・・。
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